炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

いい加減女性限定にするのをやめたら?

 

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こんにちは。火力不足です。

 

ここ数年長時間労働が特に顕著になって問題視されている医療分野における過労を取り上げた記事です。医師という仕事は人の命にかかわる仕事であり、救急の対応を迫られることからも過労になりやすい職種といえます。どの程度の医師が過労状態にあるかを確かめるのは非常に重要です。

 

しかしながら、こういった趣旨において女性に限る理由が一切ありません。女性特有にして見えてくる過労における課題とはなんでしょうか。それとも救急医療という分野は男性が女性にのしかかって楽をしている分野なのでしょうか。もしかしたら知らないだけでそうなのかもしれませんが、だとしたら知らざるを得ない位報道される分野になっているはずです。

 

本日は、救急医療における勤務医における性別について考えることを目的とします。

 

 

目次

・医者自体男性が多い

・女性は眼科・皮膚科に偏る

・調査としても失格

 

・医者自体男性が多い

医者というのは高等な職業にあたるので、女性の割合を増加させたい分野です。3Kと言われるような分野も平等にしようとは決して言われませんが、医者はなんとしても増加させたいでしょう。よって、「東京女子医科大学」をはじめとする女性限定の医者になれるルートがあったり、国立大学でも推薦を設けて医学科への入学を許可したりする(事実上の非常にネガティブなポジティブ・アクションの一環)など、順調に女性の医師を増やすために様々な策を弄しておりますが、いまだに男性の方が多いです。そりゃ志す人数自体が少なく見積もっても3~4倍多いわけですから、これで同数程度男女の医者が誕生していたらある意味恐怖です。いくら選りすぐりの優秀な女性が集まったことにしても、それだけの母数の差があって同程度にされていたら必ず恣意的な選別は入っていると断言できます。こうした選別がまた優秀な女性への正当な評価をを阻害するんですよね…。

少し話は逸れましたが、あの手この手で医師に従事する女性を増やしたがっていても、いまだに男性の方が多い世界ですし、勤務医となれば余計にその傾向が顕著になるでしょう。体力も必要になる世界ですからね。

 

・女性は眼科・皮膚科・美容外科に偏る

厚生労働省の医師に関する調査によると、女性が特に多いのが眼科・皮膚科・美容外科の3つです。ちなみにこれら3つにおいても30~40%であり、いずれも過半数を超えません。逆に、消化器や呼吸器などの総合的な器官に関する外科や救急、脳神経外科といった手術を伴うような命にかかわる部門になると女性比率は10%前後、物によっては5%を切ります。こうした難解な命にかかわる仕事をなさっている方には本当に頭が下がる思いです。

ただ、女性医師が増えた結果、増えたのは上記のような必要ではあっても救急の場面に関わらない医師であり、依然として救急に関わる部門が医師不足に見舞われているのなら、何のために女性医師を増やしたのかという話になります。露骨な言い方をすれば、女性医師を増やしたことで医師のバランスが崩れ、本当に必要な部門の医師不足が起こってしまっているともいえるわけです。優秀かつ真剣な女性の医師の方には本当に申し訳ない意見になってしまうのですが、少なくとも女医とかほざきながらテレビに出る輩がいる以上、負担など知ったことではない姿勢の医師が女性に一部いることは否定できません。「ステータス目当ての不謹慎な一部の医者のせいで、深刻な医師不足に陥っているかもしれない」という笑えない仮説が立てられてしまうのです。

また、女性による医療ミスが問題視されないのも同等の理由ですね。絶対数がほとんどないからこそミスも起こらないのでしょう。運転しない人のゴールド免許と理屈は同じだと思います。こんなところに目を通す暇もない医師の方には重ね重ね申し訳のない話ですが…。

 

・調査としても失格

加えて、調査としても女性が大変だと言いたいにしても雑すぎます。まず有効回答率が25%なので、4人に1人しか回答していません。人数は十分とはいえ、回答率は悪すぎると言わざるを得ません。また、この回答率が低い理由については、忙しすぎて回答する暇さえないという調査として本末転倒なことが起こっている可能性もありますし、現場の改善が難しく、現状をひた隠しにするため回答しなかった可能性もあるでしょう。逆に、現状は残業とは程遠く回答の必要性を感じなかったのかもしれません。加えて、80時間には到達していなくても45時間以上であれば十分危険なラインですし、そこをどの程度の医師が超えていたのかさえ分かりません。要は、労働時間上明らかに危険なラインにいる医者のうち、女性が一定数いるくらいのことしかわかりません。こんなこと調べなくても何となくわかるでしょう。勤務医の中には不規則かつ長時間の労働を強いられている方が一定数いらっしゃるのは問題になっていますし、その中には当然女性も一定数いらっしゃるでしょう。逆にいなかったら訳が分かりません。

そして、もっとも重要な点として、同環境における男性の勤務状況が全くわかりません。男性の勤務状況がわからない以上議論のしようがありませんし、相対的にどちらがより大変なのかもわかりません。一番は働き方自体が問題であり、そこをどう改善するかという話が最も建設的だとは思うのですが、女性の労働状態だけ提示されてもなんとも言えません。女性の労働負担を解消するため男性に負担をかぶせた結果女性の労働形態が改善されたとしても根本的な解決にはなりえません。勿論逆もまたしかりです。女性だけに負担が行くような形で男性側の負担を解決しても無意味です。それを解決とは呼びません。

ただ、現状の日本における意識を考えれば、女性でこれだけの比率の方が危険なラインでの労働をなさっているのなら、男性はもっと多いでしょうね。これは感覚ですが断言できます。

こうした調査はまっとうに働いている方は誰も得しないので本当にやめてほしいですね。

 

・まとめ

自分の時間を削って日々他者の命を救う仕事をなさっている方々には本当に頭が下がります。だからこそ、調査では真の状態を可能な限り世に広め、その改善策を考えられる人間が考えることが重要になるでしょうし、そこに性差はありません。仮に女性に限るのなら男性と比較したうえでもっと濃密な調査を行い、女性ならではの悩み・課題を抽出できるほどの質が必要でしょう。そこまで行うのなら、女性に限ったとしても意義はあります。

ただ、いい加減働き方やシステム自体が課題となる分野において、女性に絞って浅く問題を問うのは本当にやめて頂きたいものですね。こうした調査が、また女性の信用を落としてしまうのでしょう。

そろそろ「女性を支援しているようで馬鹿にしている調査」について揶揄できるちょうどいい造語が欲しいところです。スイーツ(笑)記事とかですかね。

 

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