炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

相変わらず本当に結婚したい人には役に立たない

 

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こんにちは。火力不足です。

 

おそらく需要があるのか、定期的のこのような結婚願望を男女に尋ねる調査のようなものが記事にされます。ただ、調査っぽいものには仕上がっているのですが、そこから何がわかるのかと言えば、別に何もわかりません。正確にはわざわざ調査しなくてもほぼ間違いなく予想ができたり、そもそも知りたいことを絞り込めていなかったりします。

そして、また例にもれず本当に結婚したい人には役に立たない構成となっております。

 

本日は、調査として役に立たない理由を説明することを目的とします。

 

 

目次

・本気度が不明

・「したいけどできない」人間こそが重要

・まとめ

 

・本気度が不明

 

・質問 将来、結婚したいですか?(単一回答) ※「独身」の方のみ回答

 

★【結婚したい派】…70.5%

・すぐにでも結婚したい     

…15.7%【男性14.1%(20代 9.6%、30代19.1%)/女性17.9%(20代17.9%、30代17.9%)】

・いつか結婚したいし、すると思う

…33.7%【男性27.3%(20代34.6%、30代19.1%)/女性43.3%(20代43.6%、30代42.9%)】

・結婚したいけど、できないと思う

…21.1%【男性26.3%(20代26.9%、30代25.5%)/女性13.4%(20代:10.3%、30代:17.9%)】

 

一応数字だけ見れば結婚に対して肯定的な層は70%いることになります。しかしながら、まずこの時点で既に10人に3人は結婚市場から降りています。男女共です。いかに結婚が縁遠いものになったかをこの時点で痛感します。加えて、このアンケートでは金銭に関して一切統計を取っていません。よって、回答者の年収によるバランスや、相手に求める年収もわかりません。また、容姿についても尋ねていません。結婚という純愛だけでは成り立たない契約において、絶対的に重要視される金銭や容姿について尋ねず、可能な限り結婚に肯定的な意見を言いやすい状態にして7割と考えると、なかなか絶望的です。

加えて、7割全員が本気で結婚に取り組んでいるわけでもありません。むしろこの7割の内訳の方が絶望的だと思いますね。もっとも結婚に対して能動的であると思われる「すぐにでも結婚したい」と考える層は全体で言えばわずかに15~20%程です。残りは“いつか”という漠然とした層と、自身ができないと考えている諦観層です。

このうち“いつか”と考えている層については、より詳細に時期や行動を明確にしないと調査として無意味であると思います。なぜなら、こと結婚に関しては、行動の伴わない願望は無意味ですが、結婚願望には含有されてしまうので、アンケートにおいて「結婚したい」という意志としてカウントされてしまうからです。

例えば、「32歳までには結婚する」と考えているAさんと、「32歳までには結婚したい」と考えるBさんと、「いい人がいれば結婚したい」と考えているCさんは、全員が27歳だとすれば今回のアンケート上では全員が恐らく“いつか”に該当することになるでしょう。しかしながら、3人の意識は全く別ですし、この中で具体的に行動に移すのはAさんだけでしょう。Bさんも全く動かないことはないでしょうが、ずるずると○○歳の数字が高くなって本腰を入れるのが遅れた結果、動くのが億劫になり「行動が伴わない願望」として独身で終える可能性の方が高いでしょう。

そして、こういった調査で実は最も厄介なのがCさんだと考えます。「いい人」というのが曖昧すぎるからです。求める人間が男性だとして、「いい人」になるための条件が優しくて借金がない人という人もいれば、年収1000万以上で年に2回以上海外旅行に連れて行ってくれる人がいい人の最低条件である可能性もあります。求める人間を女性としても同じことです。お金にだらしない人でなければ良いと考える人もいれば、美人でスタイルがよくて云々…という可能性もあるわけです。

こうした、「いい人」や「まともな人」「普通の人」を因子で分解して、真に要求されている要素を明らかにしないことには、“いつか”は“いつか”のまま終わってしまうでしょう。本気で婚姻率を上げ、男女関係を修復したいのなら必須だと思いますがね。

 

・「したいけどできない」人間こそが重要

また、こうした結婚の調査で必ず一定数いるのが「したいけどできない」層です。そして、彼ら彼女らこそがもっとも重要です。実際のところ、すぐにでも結婚したい層は動くでしょうし、“いつか”層は上記の理由から、結婚願望が強く、具体的な行動に結び付くと考えるのは危険でしょう。否定的な層は奇跡的な邂逅がなければまず変わらないでしょう。そうなると、一番結婚を進める上で重要になるのは間違いなくできないと考えている層です。

できないと考える層がなぜできないと考えるのか、金銭的な条件・容姿などが主因なのか、あるいは方法を知らないからなのかなど、できない理由を真面目に考えれば、どうしようもない部分を除けば一定数は改善できます。もともと「したい」という意志は持っている層ですから、否定的な層を変えるよりは断然容易です。にもかかわらず、なぜできないのかを追求するメディアはあまりない気がしますね。大抵男性の草食化と気おくれのせいにして終わり、のパターンが多い気がします。本気で結婚離れを改善するために分析したい、というのは自身の観測範囲では見たことありませんね。

 

・まとめ

結局結婚願望の強弱を本気で明らかにするには、残酷ですが金銭や容姿、実際の行動頻度や戦略に、結婚までのタイムリミットなどは設定されているかを詳らかに聞くしかありません。特に実際の行動もなく、タイムリミットも特に設定していない人を「結婚願望アリ」に分類して数字を高くしてしまうのは問題でしょう。中身が伴っていませんからね。(あと今回の調査は尋ねた人数も少なすぎる)

また、ここまで非婚が進んだ原因として、バブル期の女性の行動を咎めずして先に進むことはできないでしょうね。すぐに結婚したい人ほど、結婚してどうしたいのかを考えないと離婚して終わりです。