炭火生存日記

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空飛ぶ車には夢があるが、万人の使用はおそらくかなわない

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こんにちは。火力不足です。

 

カーティベーターは空飛ぶクルマ「スカイドライブ」の開発を進め、東京五輪が開催される20年の実用化を目指す。14日には実寸大の試作機の設計を固めたことを明らかにし、完成イメージを公開した。

 

空飛ぶ車の完成イメージが公開され、いよいよ空飛ぶ車の実用化が見えてきました。2020年の実用化を目指すということで、数年後にはお目にかかることもできそうです。ただ、車がそのまま飛ぶというよりは、巨大なドローンの浮遊に近いですかね。

 

しかしながら、一般人にまで浸透して、普段の行動が空飛ぶ車を使ったものになるのかと言えば、残念ながらそれはノーでしょう。一般に浸透するには現状超えるべきハードルが高すぎるように思います。

 

本日は、空飛ぶ車が一般に浸透しない理由について記述することを目的とします。

 

 

目次

・価格

・法律上の課題

・まとめ

 

・価格

今後浸透するであろう電気自動車においても言えることですが、一般人は価格で判断します。いくら飛行に夢があっても億単位のお金は出せないでしょうし、耐久消費財として機能せず数年で寿命が来たり、日常生活を過ごすうえで不便であれば利用されません。それこそ駐車場が使えなければ、車としての役割は果たしづらいです。

しかしながら、世間に浸透して初めて利便性の問題は解決します。電気自動車も同じ課題にぶつかっているように、1%もいない空飛ぶ車のためにあちこちで燃料供給源が整備されることはないでしょう。同様に、駐車スペースも整備されにくいでしょう。いくら好奇心の強い方々がリスク度外視で購入したとしても、利便性の問題が解決しなければ多くの人は欲しがりません。多くの方への需要がないということは価格は下がりません。価格が下がらなければ一般には浸透しないでしょう。

レンタルは場合によっては流行するかもしれませんが、そうなるとまた別の問題が発生します。

 

・法律上の問題

まず、運転するうえでの免許はどうなるのかという問題があります。空は陸と異なり3次元の動きが加わるので、陸より当然制御は難化するでしょう。パイロットという高度技能専門職があるように、普通自動車免許をそのまま転用してしまっては事故が起こるのは必至でしょう。また、信号や道路のない圧倒的な自由度が飛行の魅力ではありますが、自由飛行が増加すればこれまた事故が起こるでしょう。

また、立ち入り禁止の危険区域への侵入も防がなくてはなりません。最悪の場合は密入国の危険性もありますね。飛行リテラシーも問われることになります。

そして、レンタルという形でも一般に浸透することを仮定すると、空にも交通ルールが必要になります。免許があったとしても皆が好き勝手に飛べば事故なんて簡単に起こりますし、墜落も当然のようにしてしまうでしょう。そうなると、結局現行の道路の上を地上の信号に従うということになりかねませんし、それならわざわざ飛ばなくてもよいと多くの人は考えるでしょうね。

ドラえもんタケコプターを使って自由に飛べるのは、他に飛べる人がいないからであり、皆が飛べるのならその危険性を考える必要があります。夢のない話かもしれませんが、こうした危険性を無視すれば夢は一夜にして悪夢へと変わるでしょう。

 

・まとめ

こうした法整備の問題があるからか、企業側もあまり積極的に動いているようには見えません。

カーティベーターはトヨタの若手有志が中心となって12年に活動を始めた。現在は製造業の若手技術者やベンチャー関係者など約100人のメンバーで構成し、休日などを使って活動する。5月にはトヨタグループ15社が今後3年で総額4250万円を支援することを決めた。この資金を使い18年末までに試作機を完成させる計画だ。

休日を使ってやらせている時点で、まぁ有志の活動にすぎず、本腰を入れている印象は受けませんね。というより労働基準法違反になります。有志の活動だから、本人が自発的にやっているからセーフでしょうか。そんなはずありませんよね。

最も車の知識を有しているであろう企業の対応を見ても、まぁ金にはならないという判断を下しているように思います。自動運転も前途多難ではありますが、人が触る必要のない領域に至るまで、空を自由に飛ぶのは難しそうですね。

 

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