炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

ハーフタイムはもう終わった

5年間という再三問われ続けた期間も、もはや半分以上経過しています。

 

(ちなみに降格時の目標は確か、1年でJ1復帰し、2年目で優勝争いをして、3年目でACLへ出場し、一定の成果を残すという目標でした。風間氏の契約年次とされる3年を鑑みても、そもそも5年ベースではなかったとするほうが妥当な気はしますね。古い話ですが、当時も監督の選択含め、とりあえずJ2という目の前を視ろよと思った覚えがあります。)

 

加えて、5年間が終わった瞬間にいきなりすべてが実を結び花開き、投資期間を大きく上回る栄華を誇るというのもあまりに非現実的です。理想はいきなり空から降っては来ません。今からの延長線上にあるものです。

川崎さんとは何もかも違うとされるわりに5年というべらぼうに長い期間だけが参考値として未だに語られるのは謎ですが、とにかく川崎さんという前例らしきものと比較するのであれば、5年目には開幕からバリバリ連勝街道を邁進していることになります。そして、それがシーズン中一定して継続性があるということになります。

5年目が始まる時点で、ある程度勝利が計算できる領域に達している必要があるので、実質的には丸4年間で様々貫いてきたとされるものが芽吹いた状態になり、「来季はいけるぞ!」と希望をもってシーズンを終えていることが予想されます。

そして、4年目である程度手ごたえを掴むにはどうすればよいでしょうか。

 

慧眼をお持ちの方々はお気づきになるでしょうね。

現時点で、どうあがいても種は蒔き終わっていないと遅いです。芽を育てる時間もありますし、いかなる名将でも、どんなクラブでも試合への出場なく選手を爆発的に育てることは難しいです。

その一番の成長機会である試合の数自体が、もう50試合残っているか怪しいです。カップ戦諸々含めてこの数値ですから、一人の選手が出られるゲーム数はもっと少なくなるでしょう。そうなると、現時点で計算できるレベルの片鱗はないと進捗としては遅いと言えそうです。

しかしながら、数か月で鮮やかにチームを変えてしまう名将も存在します。そういった方が携わる前提であればまだまだ猶予ある期間ではないでしょうか。

 

ところが、そうなると別の問題が発生します。

 

せいぜい数か月でチームにポジティブな変化を仕込める監督が来日することも珍しくなくなったJリーグにおいて、5年間膨大な投資をするというのは相当な覚悟です。

 

当然、継続し投資する価値があるほど大きなリターンが期待されますし、相応に要求されるでしょう。一人の選手が18歳から23歳になるまでの5年間という時間は、20年前と比較してはるかに濃密で、重要で、選手人生を大きく左右します。決して、簡単に「待ってほしい」で解決するような期間ではありません。

今を否定したくなくてしれっと先延ばしにするのは簡単ですが、その分期待値は上がり、求められるリターンは膨れ上がっていきます。繰り返せばいずれ信頼も失い、ますます説明は難しくなるでしょうね。

しかしながら、目標が今年あったとしてもなかったとしても、選手を替えてなお昨年と同じような停滞をしていることそのものへの指摘は避けられないでしょう。今現在、貫きたいのは停滞ではありません。

 

まぁ、目標やら理想やらをすべて反故にして、実は「最低」5年間必要でした、「ごめんね~まだまだかかりそうなの~」とするのかもしれません。5年間という言葉だけが独り歩きして、5年目の開始時点なのか、終了時点なのかはさっぱり明示されていません。「5年間」も、実はどうとでも解釈できるいつも通りのふわふわワードです。早めに終わればそれはそれでよいですし、かかれば「チーム事情が…」「選手の入れ替わりが…」とずるずる先延ばししようと思えばできてしまいます。代償はありますがね。

 

そして、ふわふわさに拍車をかけるのが、「貫く」というマジックワードです。

スローガンにも上がるようなキーワードですが、果たして 

何を貫いているのでしょうか?

 

 

ボール保持でしょうか?技術に対する真摯さでしょうか?攻める姿勢でしょうか?頑張りでしょうか?

ボール保持はまぁあり得ませんね。本気でボール保持を貫いてアレならちょっとコメントが見つかりません。しいて言えば本気の意味をはき違えていることは確かです。

技術に対する真摯さもあり得ません。蔑ろにされた観測外の技術が多すぎます。

攻める姿勢だけならリーグ一位でしょうか。姿勢を貫いてACLを優勝できるクラブになれるならどれだけでも応援しますが、そんなに虫のいい話はありません。

頑張りについても、どのクラブさんも真剣に取り組んでいます。選手が頑張って、報われるまでがワンセットなので、頑張っていることそのものに優位性はありませんし、頑張った結果選手が摩耗していく姿を見続けるのはむしろ強い苦痛を覚えますね。

 

 

完全な妄想ですが、「やりたいこと」を貫いているというのが本音な気はします。

 

 

結果、何を貫いているのかがわからないので、何となく「挑戦する姿勢」とか「試行錯誤」そのものを繰り返し、前進しているはずという姿勢そのものを貫いている方向性にせざるを得ません。

 

偉大な挑戦だとか試行錯誤だとか言えば一見聞こえはよく、相変わらずふわふわした雰囲気にできますが、実態は蛮勇・無謀がいいところです。理由は単純で、同じ現象がピッチ上で繰り返されるからです。「いつも通り」だからですね。

ざるに水を溜めようとしているのが問題なのに、ざるを傾けたり、ざるを磨いたり、水の勢いを調節したり、浄水器を購入したり、祈祷を始めたりしても水は溜まりません。そしてそれを挑戦と多くの人は呼びません。現実逃避と呼ぶことでしょう。

 

5年目の結実に向けた折り返し時点で、「今貫いているのは前進する姿勢です」と再認することが、どれだけ滑稽で惨めでしょうか。

1年間のプロジェクトにおいて、半年も過ぎたところでプロの口から、「目に見えるものはありませんが、前へ進む気持ちだけはずっと持ち続けて挑戦しています」と語られて、どんな反応になるでしょうか。おおそうか、君は素晴らしいという評価が返ってきそうでしょうか。

 

ある程度形になった実績をもとに、残りも具体性とともに邁進することが、前進する気持ちの一番の証明になるのではないでしょうか。

 

未来へ続くクラブの確固たるスタイル確立のために、決して短くない時間を投じ、

本当に必要なものは知ることができたのでしょうか。

本当に必要なものは実行できるものでしょうか。

本当に必要なものは実際にやったのでしょうか。

 

 

私自身、貫いた先に答えがあると思っていました。そして、どういった形であれその答えを得られるであろう今シーズンは期待を募らせここまで来ました。

 

もしかしたら「何も貫いてなどいなかった」というパンドラの箱を開けてしまうのが答えかもしれません。

                                   了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁそんなはずはないですね。私よりも真剣にチームを追いかけ、発信し応援し続けた優秀なファミリーの皆様がシーズン開始当初「今年こそ真価がわかる」「貫いたものが結実するシーズンになる」という予測をなさっていたのですから、そこから大きく外れるとは考えにくいです。万が一望んだ結果が得られなかったとしても、私自身が知りえなかった因果関係を必ず解き明かしてくれることでしょう。そうしたファミリー目線での総括も楽しみですね。