炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

男女平等ゆえの当然の構図

headlines.yahoo.co.jp

 

こんにちは。火力不足です。

 

転勤のない一般職を望む男性が増加しているという記事です。具体的な採用数であったりは数字の取りようがないため実際に増加しているかはわかりませんが、労働者側の意志として生じ始めていることは喜ばしいと思います。ただ、雇う側自体は総合職を望む気質が強いので、男性の一般職選択が当然になるにはまだまだ時間はかかるでしょう。だとしても、少子化で人自体が減りますし、男女平等という大義名分には逆らえませんから、どんどんと認められていくでしょう。良い兆候だと思います。

 

しかしながら、逆になぜ今まで認められてこなかったのでしょうか?転勤に関してはメリットデメリットが様々に語られてきたと思いますが、一部の例外を除けば一般人にはデメリットの方が大きいと思います。

 

本日は、転勤と男女平等について考えることを目的とします。

 

 

目次

・転勤を望む方が少数派

・システム自体の改善

・まとめ

 

・転勤を望む方が少数派

個人的には、転勤を望む方が少数派であると考えます。少し調べた限りでも、「購入したマイホームに住むこともできず単身赴任」だとか「引っ越しやそれに伴う手続きが面倒」だとかあまり好意的な意見は見かけません。それも当然な話で、転勤することで明らかに報酬が増加するのであれば受ける価値は確かにあるでしょう。また、現在の環境に不満があり、転勤により嫌な環境を回避できる場合もメリットはあるでしょうね。あるいは、新しい環境が好きな方は比較的転勤に対しては前向きだと思います。

ただし、最後の個人的特性を除けば、現状労働者側にも経営者側にも転勤のメリットはほぼないと思います。唯一例外としては、「ある特定の人が現地に赴かないとどうしてもうまくいかないような極めて専門的な業務」であれば、転勤の価値はあるでしょうね。勿論、その分の報酬は必須ですが。しいて言えばマンネリや癒着防止という観点もあるでしょうが、別に部署の変更だけで十分業務内容は変わりますし、勤務地を変更するほどのことではないでしょう。要は、わざわざ遠方に移らないとできない業務でなければ、コストがかさみ双方ともメリットが乏しいのが転勤なのではないでしょうか。

どう考えても、単身赴任が家庭に好影響を与えるとは思いませんし、現在の環境に不満がなければ動くことは不満やストレスを誘発します。新たな環境への適応の問題もあるでしょうし、移住による出費も少なくありません。仮に、現在の環境に不満があっても、転職市場は以前よりも整っています。必ずしも転勤をしなくても避けられます。現状ではまだ年齢による壁はまだ残っている側面はありますが、いずれ撤廃せざるを得なくなるでしょう。

性別に関わらず、転勤を繰り返したい人の方が少なそうですね。得られるものがそんなに大きくありませんからね。ごく一部の専門性が高く報酬も十分な専門職の方にとっては転勤は必要かもしれませんが、一般人への効用は過信しすぎではないでしょうか。

 

・システム自体の改善

ここ30年でインターネットの発達や価値観の変化、経済の悪化が進んだことで、そもそも転勤というシステム自体が時代遅れになっている印象を受けます。現在の業務は、そもそも会社へ行くこと自体を在宅勤務で代替できる仕事もあります。企業の機密情報を扱うような人は持ち出しの観点から難しいかもしれませんが、資料の作成や調査、あるいは会議でさえ画面越しにできてしまいます。移動時間も節約できます。

また、転勤させることで会社への忠誠心を試す意味も失われました。終身雇用とある程度の報酬があったからこそ多くの男性は従ったのです。今やそのどちらも失われましたし、単身赴任で妻や子供と関わらなかった結果家庭に居場所を失ったり、女性からの裏切りによりATMと化した先輩方を特に若い男性は子供目線で眺めて育ちました。家にほとんどいなかった父親とその悪口ばかり言う母親を見て、「自分はああはなりたくない、子供と向き合える家庭を作ろう」とか「自分はああはなりたくない、結婚も向いていないし独身でいよう」といった考えが登場するのはごく自然だと思いますね。将来夫になるはずだった若い普通の男性は、少なからず家庭で邪険にされる可能性をもはや考慮していると思います。今でも「だんなデスノート」とかいう全く笑えない話もありますからね。

少し話が逸れましたが、転勤してきた父親を見て、憧れる子どもよりは何とも言えない負の感情を抱く子供の方が多いでしょう。母親の不満のはけ口にもされますからね。当人のメリットも薄く、会社としても劇的な効果は薄く、家族さえも不幸にしうるのが今の転勤だと思います。

これでもなお転勤を至上と考えるのなら、「転勤による労働者スキルの向上可能性の検討」とかいった主題で調査して論文でも出していただきたいものです。多分転勤そのものによる有意な効果は得られないと思いますがね。たとえ微増の効果が得られたとしても、おそらく転勤自体を強化するより、どうしたら転勤と同等の効果が転勤なしで得られるかを考えた方が建設的でしょう。

 

・まとめ

個人的には、今までの男性が馬車馬のように働くシステムへの男性からの抗議のように思います。加えて、女性からの総合職への侵攻(男性目線)もあり、男女平等を逆手に利用した生存戦略のように感じます。多くの女性が総合職のフィールドに上ってきたことで、単純な競争率は上がりました。空気いすや電気いす、拷問器具のようないすはともかく、まともな椅子はそんなに増えていないのに、人は増え、厳しくなりました。男女はお互いにパートナー候補として考えなくなるのであれば単純な競争相手にすぎませんし、アファーマティブアクションを使うのならチートを使うような明確な敵になります。加えて、「男のくせに…」といったバイアスはまだ残っていますから、敗北した際のダメージはいまだに男性の方が大きいです。

そこで、自分自身の人生の充実や生き残りをかけて、金銭や幸福などの条件を勘案した結果が、一般職という選択のように思います。AIの実装などによる影響もありどうなるかは予測がつきませんが、現れるべくして現れた層だと思います。

今後どうなっていくかは非常に興味深いですね。