炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

色々な化けの皮を剥がしたネット党首討論

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こんにちは。火力不足です。

 

昨日、ニコニコ動画を用いたネット党首討論が行われました。「ネット党首討論」というのは、各党代表者による討論をはじめ、ネット視聴者から寄せられた質問への回答など10日に公示日を控えた2017年衆議院議員選挙に向けてインターネットを通じて情報発信を行うものです。簡単に言えば、テレビではなくネットを使ってそれぞれの党の長といえる方々がどういったことを考えて、どういった理念に基づいて行動しているのかをわかりやすく一般の方に伝えるという機会ですね。

 

結論から申し上げると、非常に有意義な討論であったように思います。厳しい時間制限の中で、端的に質問に対し答えた真摯な党首と、はぐらかし逃げた不誠実な党首の差がはっきり出たと思います。本当ならテレビや新聞でも半ば当然のようにこのレベルの議論は成立して然るべきなのですが、本日行われたNHK党首討論はいつものテレビクオリティでした。当然党首ごとの差なんて出ませんでした。出せるほど有能な運営ではありませんでした。行う媒体や組織が違うとこれだけ質を低くできるという好例として、教科書に載せてもよいほど差が出ていたと思います。

本日は、ここ二日間でそれぞれ行われた、ネット党首討論NHK党首討論の差について記述することを目的とします。

 

 

目次

・司会者の偏り

・忌憚ない党首の意見

・記者が害悪

・まとめ

 

・司会者の偏り

ごくごく当然なことなのですが、総理であろうが党首であろうが話す時間は一定でなければなりませんし、もし超過するようであれば粛々とたたむ必要があります。そうしないと有利不利が生じてしまったり、ルールを破り好きなように話した卑怯者が印象に残ってしまったり、長く自分の主張を伝えられることになってしまうからですね。よって、こうした (ないのが理想だが) 議論を潰す行為に対し、淡々と仕切りつつ、自分自身の主義主張を混ぜることなく仕切ることが司会者には求められます。また、質問に質問で返したり、相手の話を一方的に遮るような行為も、円滑に議論を進める上では害悪です。一人の持ち時間が乱されてしまうとともに、印象を誤認させてしまうからですね。こうした公平さを乱す要素も柔らかかつ断固に排除できるのがよい司会者だと考えます。つまり、可能な限り主役である党首の皆様の意見を出すための場を歪めず「空気」になり円滑に議論を進める必要があるということです。

こうした点で昨日今日の党首討論を見てみると、ネット党首討論の司会者は中立性をかなり意識して司会を行っていたと思います。司会を務められた夏野さんと進行を務めた馬場さんが議論に影響を与えた場面はほとんどありませんでした。多少党首の方が長く話して時間を超過した際の切り替えが難しい場面はありましたが、意見に影響を与えてはいなかったでしょう。党首の方への質問も国民にアンケートを取り関心が大きかった安全保障と憲法改正についての話に絞っており、構成として明快でした。

一方で、NHK党首討論は司会の方の質問が信用問題に関するものが中心であったり、記者側からの議論を潰すような質問、無礼な応対に対し無力でした。あのような意見を遮る質問や森友加計問題に限定するかのような討論にしてしまうと、党首討論というよりは安倍批判会をもくろんでいたと揶揄されても文句は言えないでしょう。いずれにしても、司会者の方が流れを整えるどころか流れを恣意的に作ってしまってはいけませんよね。まぁ今更確信犯でやっていたとしても驚きも嘆きもしませんし、そんな期待もありません。

 

・忌憚ない党首の意見

ネット党首討論においては、いい意味で部外者が排除され、純粋に党首同士の意見が交わされました。その結果、非常に貴重な言質が複数得られました。特に、最後の一般人質問のところは見ものでした。

例えば、共産党の志位委員長の国防に対するダブルスタンダードが露見されました。討論中にも相当他の党首から突っ込まれていましたね。具体的には、有事の際にはアメリカに国防を一任するという考えでありながら、日常時はアメリカとの関係を密にすることを批判しており、いわば都合のよい警察としてアメリカを認識する「舐めた」考えをなさっていたことが明らかになりました。はっきり言ってどんな国でもそんな日本にとって都合のよい時だけの防衛を引き受けるはずがありませんし、仮に引き受けるとしても膨大な技術や金銭などの負担がセットになるでしょう。その負担をどうやって捻出するのでしょうか?加えて、「平和実現のための北朝鮮との対話」にアメリカが登場するのはそもそも回答としておかしいでしょう。銃を持って話し合いに出向いているのと同義ですからね。結局日本単独では解決しえないことを露呈しただけにすぎませんでした。

志位委員長としては話し合いで平和を実現したいのかもしれませんが、そんなに実現したいなら明日にでも民族対立の激しい地域で平和を訴えることをお勧めします。やりたいことは何となくわかりますが、それを実現するまでの道筋が果てしないため「実現すると素敵だねうふふ」くらいしか言えませんね。

また、希望の党の小池代表も大きく株を下げた一人になりました。ベーシックインカムの財源の有無と労働意欲への影響を尋ねた質問に対し、回答がイノベーションやらAIやらを織り交ぜたなんとも言えないもので、はっきり言って回答になっていませんでした。仮にAIに一任するのであればそのAIは現状どこまで実現可能性があるのかという話や、AIに基づきどういった部分を財源とするのか、といった点を回答するべきでしょう。付け足すように回答した設定次第というのも、無策の象徴です。結局耳障りのいい言葉を並べただけで、肝心なことは何も回答できていません。

どうやら小池代表は、良い言葉をならべて希望を何となく見せることはお得意なようですが、希望を実現するまでの地道な道づくりの才能はおありではないようですね。こうした回答の曖昧模糊さから、党首討論への準備不足も見て取れました。政策の実行も準備不足のまま行われて税金が浪費されてしまうかもしれませんね。

こうした党首一人一人の意見を丸裸にできる機会は、記者クラブでの党首討論ではあり得ません。なぜなら、記者や司会者が歪めてしまうからです。正直小池代表の曖昧模糊な答弁はNHK党首討論でも当然(一日で理論武装が強固にできるわけがないから)ありましたが、そうした抽象的な言葉をなぜかスルーし、森友加計の既に解決した信用問題のみを無駄に追求していたのは見ていて哀れに思えましたね…。抽象性に気づけない記者とか正直いらないんですよ。素人ならともかく、それでカネもらっている人間が簡単な言語トリックになんで容易に引っかかるんですかね?プライドないんでしょうか?

 

・記者の害悪さ

上記のように追及するべきところもできず、それでいて党首の話を一方的に遮り、既に説明した問題を蒸し返し醜く居座る姿はまさしく害悪ですし、同じことを然るべき討論会場で行えば司会から厳重注意されるか、最悪追い出されると思います。不毛かつ邪魔だからです。記者と党首ですから話がこんがらがっていますが、同じことを学生の研究発表でやっていたらどうでしょうか。抽象的な横文字を多用して何が伝えたいのかわからない学生には何も尋ねず早々に話をたたみ、ある学生が既に説明したことを延々と蒸し返し、時間を圧迫したり、発表の最中に質問で流れを止め、相手の話も聞かず自分のことだけをぶつける聞き手は、発表会に貢献しているのでしょうか。むしろ邪魔ですよね。どう考えても害悪です。

こんな害悪な行為を平然とできるのが朝日新聞毎日新聞の記者です。お恥ずかしい。死ぬまで自分達こそが正義と信じて朽ちた看板を背負っていくのでしょう。

 

・まとめ

正直、NHKの方は見る価値がない、と言ってもよいと思います。真面目に議論させる気がありませんし、それを悪いとも思わない傲慢さが透けて見えるところが本当に疎ましいです。ネット党首討論も黎明期には課題もありましたが、今回の党首討論で明確に大きく質の差をテレビに突き付けたと思います。司会者が平等という、当たり前のことさえ遵守できないメディアを誰が好き好んでみるのでしょうか。信用問題を突き付けたつもりが、むしろ国民に突き付けられたと思いますね。

 

 

参考(見る価値なし) 一応両方載せないとアンフェアですからね。

【ノーカット】党首討論会@日本記者クラブ - YouTube