炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

東アジアカップの雑感と名古屋グランパスの昇格

こんにちは。火力不足です。

 

Jリーグの全日程が終了し、移籍市場に動きが見られたことで改めて昇格した実感を得られました。正直試合が終わった当日はまだ実感がありませんでしたからね。

そして、かつて応援したものとして一年で復帰できて本当に良かったと思います。スタートラインに回帰しただけではありますが、選手編成・クラブの将来・膿出し・SNSを用いた効果的な宣伝の拡張など、J2を経験したことによる結果論での成功はいくつも得られました。

だからと言って、他クラブもJ2で修行しろなんて口が裂けても言えませんがね。クラブの営業努力、選手やスタッフの徹底があって初めて為し得た昇格だったと思います。

 

ただ、残念ながらこのままの路線を貫いても、ACLの制覇は極めて難しいでしょうし、名古屋から世界へ羽ばたく選手が出てくることはほとんどないでしょう。昨日を含めた東アジアカップでの川崎勢の選手の振る舞いを見れば大方予想ができます。ガラパゴスな選手として日々を過ごしてしまうのは個人的にはあまり気分の良いものはありません。勿論、サポーターとして国内でずっとプレーしてほしいと考える方もいらっしゃるはずなので、ここは個人の考えということになるのでしょう。

 

本日は、東アジアカップで感じたことを記すとともに、それが名古屋に及ぼす影響について考えることを目的とします。

 

 

目次

東アジアカップについて

・風間サッカーへの適応

・まとめ

 

東アジアカップについて

監督が選手選考に徹したこと(勝利を二の次にしたこと)、選手のコンディションがよくなかったこと、予想以上にピッチ上でのコミュニケーションがとられておらず目に見えて混乱していたことなど様々な要因があったことで、課題として格下ではぎりぎり誤魔化されていた要素が韓国戦で爆発したという印象です。選手個人でアピールに成功したといえる選手は皆無ではないでしょうか。まぁ毎度1人~2人いるかどうかではあるので、良くも悪くも例年通りではあった気がします。GKの中村選手は責められないけれど序列を逆転させるには至らなかったというなんとも気の毒な状況ではありましたがね。レヴァンドフスキファルカオといった怪物を本番で相手にすることを考えると、韓国戦での理不尽な3.4点目をもし止められると序列の逆転があったかもしれません。勿論結果止められなかったからとはいえ、中村選手が責められるべきではないのは重々承知しています。

また、フィールドプレイヤーは、マイナス要因が膨大にあった中で、最低限こなさなければならないタスクや被カウンター場面での戻りのスピードを問われたと思います。個人的には、タスクをこなした度合いと献身性を考えると中村選手・土居選手・川又選手・今野選手・伊東選手あたりは競争相手次第でかろうじて可能性を残したようにも感じました。

 

また、それ以上に、素人でもわかるような、評価するはずの側のレベルの低さに本当に辟易としました。

「ラインを上げろ」なんて素人でも言えます。ラインが上げられない理由がそもそも自分たちのせいなのか、相手の影響なのかさえ解説していません。それは解説ではなく愚痴でしょう。例えば、自分達ならば技術にあるのか、戦術理解度にあるのか、精神面にあるのか、あるいは複数の要素が絡んでいるのかなど容易に原因は思いつきます。もし「DF陣が一点を守りたいという後ろ向きな気持ちになっていて、攻撃陣と監督がラインを上げるようにロジカルに要求しているにも関わらず、臆病さに負けている」のであれば、勇気を持てだとか気持ちで負けているだとかという批判は重要ですし、的を射ています。ただ、少なくとも昨日の試合はとてもそのようには見えませんでしたし、気持ちだけで頑張れば余計に悪化しそうな状況でしたね。「頑張れば解決できる」という問題点からの逃避が一番たちが悪いです。

また、この際今回の敗北を「魂」のせいでもOKとしたとしても、その魂はどうすれば恒常的に身に着くのでしょうか?本番で発揮できない魂は無意味でしょうから、ルーティンのような安定した操作術は言語化されてしかるべきでしょう。その手法をまず伺いたいものです。加えて、魂があるだけではそれが勝利に直結するとは考えにくいです。相手にだって勝利への執着などの魂があることは容易に想像できます。そのうえで、魂を勝利へ結びつけるために、効果的にプレーに反映させるための具体的な手法はどういったやり方があるのでしょうか?魂はあってもプレーに繋がらない「悪い例」もあるはずでしょうし、そういった失敗例と成功例を比較したうえで、魂の効用を解説されたらまだ納得できます。だいぶスピリチュアルな気はしますが、ビビってしまうと身体が硬直することもあるので魂も全く持って不要だとは思いません。ただし、魂に任せて身勝手な玉砕特攻プレスをした結果周りを苦しめて失点した場合は誰が責められるのでしょうね。また魂が足りないと文句をたれるのでしょうか。敗北が魂の不足というのなら、ここ70年何の進歩もしていませんね。ある意味当然ではあるのですが。

 

・風間サッカーへの適応

ここからは名古屋の話になりますが、風間サッカーへの適応は現代サッカーへの不適応と同義だと個人的には思っております。攻撃面でよほどの差、例えば14試合で7ゴール14アシストを上げて相手を血祭りにあげるレベルの活躍をしない限り、守備面で全く使い物にならない穴になってしまう以上、活躍は難しいでしょう。どれだけ攻撃面の限られた基礎を積み上げても、そもそも発揮できる場面が訪れません。今大会で「目が揃わず」いまいち輝きを放てなかった大島選手・車屋選手・小林選手の様を見れば(阿部選手は出場時間が短すぎるのと、風間サッカー歴がないので保留)、このままでは風間サッカーに適応した田口選手や青木選手が選ばれたとしても、目が揃わない状況で守備面のまずさだけが露呈することは想像に難くありません。

この状況を回避するには、「目が揃う」前提のやり方を変えて、最低限の約束事を定めて認知負荷を軽減するか、「目を揃わせる価値がある」ほどの絶対的な才能と実力を証明し続けるメッシ・Cロナルド路線を行くか、守備面をある程度整備できる人(東京Vのロティーナ監督や清水就任のヨンソン監督など)をコーチとして据えて、守備時のまずさを改善するかのどれかが自分には思いつきます。ACLを勝ちあがることをクラブとして視野に入れるのなら、避けては通れない道だと思います。それどころか、J1昇格を果たしたことで、まず間違いなく得点は減り、失点は増えるでしょう。当面、J1定着が目標になるのではないでしょうか。

 

・まとめ

東アジアカップについては、この結果で解任論を唱えるのは頭が悪いの一言に尽きます。韓国はソン・フンミンがいない以外はかなり本気のメンバーでしたし、コンディションも微妙でテスト色前回の日本とやればまぁ優勢にはなるでしょう。今回ほど極端なスコアにはならないとは思いますがね。解任してロドリゲスジャパンを作り、8年ごしでベスト8を狙うという話なら分からなくもないですが、代案も東の島国に絶対来ない人の理想サッカーか、守備陣いじめの玉砕サッカーか、引きこもり5-4-1の日本式サッカーのどれかになるので、たいてい聞き流せます。

名古屋については、まだ移籍情報が出ていないので詳しい事情は分かりかねますが、ひとまずは守備陣のテコ入れとレンタル組の慰留でしょうね。そのうえで、来期は降格しないことがひとまず目標になると思います。

 

最後に、名古屋がらみでも代表がらみでも腹の立つ話はいくつかありましたが、一番腹が立ったのは、今回の敗北でサッカー協会の会長が「誇りが足りない」とかいうサポーター目線前回のコメントをしたところですね。当事者が何をほざいているんでしょう。トルシエ期の反省を怠り、基礎知識としてのゾーンディフェンス並びに複数人での動きを育成に取り込めなかった上層部が自身の怠慢を認めることもなく誇りを語るとは、情けなく呆れる話ですね。反吐が出ます。