炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

風説とともに去りぬ

今日一日で、何もかもが解決することはあり得ません。

勝ったとして、「今までは全て無駄だった!!」と断言できるはずもなければ、同様に「今までの積み上げなくしてあり得なかった!!」とも言えません。言えるはずがありません。負けたとしても同様です。

 

そんな中でのフィッカデンティ監督の船出は、広島さん相手に引き分けに終わりました。

 

一言で申し上げれば、守備という技術を今まで疎かにしてきたんだな…と嫌でも痛感させられる試合でした。

付け焼刃と言わざるを得ない場面もありましたが、現状の格上を相手に追い付いてアウェイで勝ち点1を持ち帰れば、そこまで痛烈に批判されることはないでしょう。

監督が出来ることは尽くしてくださった、というのが正直なところだと思います。

 

 

 

と同時に、不安になったのが「止めて蹴る」が想像以上に蒸発していた点です。

ボディアングル・狭い位置でのターンなど、観測外の技術は膨大にあったとは言えども、キーワードとされ続けてきた「止めて蹴る」への投資だけはそうそう揺るがないものと思っておりました。

ところが、新監督就任後たった一試合で、2年半ボールを保持することに取り組み、足元の技術を高めてきたチームの姿はほぼありませんでした。別に広島さんと比較してパスミスが少ないとか、緻密なパスを通しているとか、トラップが全然乱れていないとか効果のありそうな場面でも今一つのように感じました。

 

ただ、別に風間氏がいらっしゃったときにパスが正確だったかを問われたら別にそうでもなかったので、妥当なのかもしれません。得点シーンが、相手の判断ミスにより崩れたスペースを突いたものであるという点も、変化はありません。

 

まさか、2年半という短くない時間を賭して積み上げたものが、たかが新監督が一週間小手先で弄っただけで消えるなんてあり得ません。消えたとすれば、それは元々なかったのに風説であったことにされたものなのでしょう。たった一週間で驚くほど曖昧模糊なキーワードは去っていきましたが、暫く風説は漂い続けることでしょうね。

流麗なビルドアップがなくなったとか、魅力的で分厚い攻撃が消えたとか、色々そもそもないものねだりが今シーズン中は亡霊の如く湧いてくるでしょうね。

バイタルエリアバリアフリーにする混沌サッカーは思い出したように湧いてきたので、あれこそが風間氏の功績であり、一番の結晶なのかもしれません。

監督が代わっても遺ったものを見られることで、真にボールを保持するサッカーの継続に必要なものを確かめられるとすれば、それはそれで残留すれば悪い話ではありません。非常に高い勉強代になるかもしれませんがね。

 

そして、現時点ではあまり発揮されなかった自慢の技術については、

 

・そもそも積み上げでもなんでもない、空虚なもの

・一定のリソースを消費すれば可能だが、新監督のやり方へリソースを集中させたため、一時的に疎かになったに過ぎないもの(時間が解決する)。

・膨大なリソースを消費すれば可能だが、風間氏以外の下では実行不可能なレベルの燃費の悪すぎるもの(仕様に合わない・使用価値がない)。

 

おそらくこの3つのいずれかだと思われますが、これも今シーズンを追い続ければいずれ見えてくる話でしょう。単に急な適応を強いられたことによる一過性のものだとよいのですが、継続して見えてこないと、やはりそもそもなかった可能性も現れてきます。

3年目が勝負とおっしゃっていた方々は少なからずいらっしゃったので、総括はシーズンを終了したのちにしていただけると思います。今は目の前の試合を戦えば良いのではないでしょうか。

 

 

2年ぶりくらいに、まさに今こそ「時間が必要」な時期のはずです。

ところが、一週間でさえ我慢できないのは滑稽な話ですね。博打ではないので確かに夢は見られませんが、夢に見たはずの継続性は、かつて可能性を感じられたのなら今だって十分期待できる試合だったと思いますがね。

継続性などただのダシで、社交界にて鳥や花を愛でるがごとく、夢を見ること・妄想することこそが本質であれば、現状の悲鳴や批判はなんら驚くべきものではありませんが、果たしてどうなのでしょうか。

そもそも別監督と比較するにしても、今比較できるのはシーズン途中に小倉氏からバトンを引きついだボスコ氏くらいです。2年半の監督と就任1週間の監督の比較に溜飲を下げる以外の意味などありません。

 

そして、今シーズンを終え、現監督とともに守備の山から攻守一体サッカーへの茨の道を登っていくのか、残留ありがとうで他の監督に託すのか、いや守備こそ至高と方針転換するのか、現時点ではわからないことばかりです。個人的には、遅かれ早かれどちらの山も登らないといずれ勝てなくなるとは思っているので、プールで泳ぐ時間を減らして、さっさとどちらの山でもよいので取り掛かっていただきたい所存です。それこそ「時間のかかる」話ですからね。

 

見た目ではボールを保持していたのが、見た目ではボールを保持しなくなる。

見た目だけは変わりましたが、1週間で何もかも好転するほど甘くありません。

そして、それがどれほどピッチ外に因果を与えるかは外からわかりません。

 

中身が好転することを祈りつつ、今を戦い抜くのが最善ですね。

 

 

                                   了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった一週間で、「こんなはずじゃなかった」という声はともかく、「だから言ったでしょ」という声もあるのは実に小気味よい話です。

だから言ったのに、というのはまさしくずっと前から我々側が暗黙に示してきた言葉であり、嘲り・風説を流されて当然の、サポですらない下賤の者たちと同じ振る舞いをなさるのは品位あるファミリーの方々にしては脇が甘く、誇りに欠ける行為のように思えます。

これから、チームを応援したい思いと、ご自身の予想が的中してほしい思いがコンクリフトを起こすのでしょうが、それさえも同じ振る舞いです。かつては嫉妬だとおっしゃいっていた恥ずべき振る舞いをなぞるようになさっていくのでしょうか。それとも、ファミリーとしての誇りがそれを許さないでしょうか。

またあるいは…

 

つまらないという批判もあるでしょうが、まぁそこは主観なのでコメントのしようがありません。私だって横浜戦や清水戦をはじめ、振り返ればもっと退屈な試合をいくらでも引っ張りだせますし、そこを語っても仕方ありませんね。