炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

虚像は消えども、目標は続く

ついに、風間氏の契約解除とともにフィッカデンティ監督の正式な監督就任が発表されました。長かったですね。

 

 

まずは、本当に紙一重で判定に恵まれて理想もへったくれもないスタイルでしたが、勝負に徹し一年でJ1復帰というノルマを果たしてくださり、感謝申し上げます。お疲れ様でございました。

勉強期間はなく、研鑽は容易ではありませんでしたが、ご本人の成長・ブレイクスルーが最後までピッチ上で見られなかったことを遺憾に思います。

 

 

口止めされていたのか、機会を伺っていたのかはわかりませんが、今更になって「なぜ風間グランパスはうまくいかなかったのか」と原因を分析しているかのような記事が堰を切ったように現れています。全くもって鮮度も節度もないですね。

 

風間サッカーを貫くが目標であったのなら、その夢は間違いなく潰えたことでしょう。しかしながら、攻撃的なサッカーを貫くであれば、決して夢が潰えることはありません。風間サッカーを探求するのであれば世界にで風間氏以外の適任者はいらっしゃらないでしょうが、「攻撃的」であれば、ピッチ上に実現する手腕を併せ持った監督は一定数いらっしゃいますし、現実的に手の届くレベルの監督もそこにはいらっしゃいます。

現時点では自身の不勉強により、フィッカデンティ監督に攻撃的なサッカーを志向するイメージはありませんが、曖昧模糊なイメージに依存することへの恐ろしさがここ数年の教訓です。理想と現実の距離を詰めるのであれば、イメージを盲信せず、ピッチ上を色眼鏡なくとらえるのが近道といえるでしょう。

そして、今後クラブがどのような方針を継続していくのかは、正直現時点ではわかりかねます。フィッカデンティ監督招聘の意図も明確に特定できませんからね。残留を見据えてのものだとは思いますが、その先は白紙です。また、シーズン途中での就任は時間も好みの選手もいない特殊な状況です。結果と内容の両立は実現すれば最高ですが、楽観はできません。

潤沢なキャンプ期間と、要望に合致した選手補強、粘り強いフロントからの支援があれば結果と内容は両立させられるかもしれませんね。そんなチャンスがもう一度訪れるかはわかりませんが。

 

まぁファミリーの皆様の愛するクラブが決めたことなので勿論変わらず支持なさるのでしょう。実現したいサッカーの一手段でしかない監督が変わったくらいで途絶えるクラブへの深い愛などあるはずないですからね。風間氏の功績に感謝するとともに、無責任なメディアの「だから失敗した」という後出し論を無視して、粛々と積み上げてきたものについて具体的に語ればよいのです。追いかけ続けた証として、何がどう積み上がり、それは監督が変わったくらいで褪せることのないような、名古屋の礎になりうるプレシャスな技術であると証明すればよいのです。

たかが数試合で消え失せるものが、未来永劫スタイルの礎として継続することを信じるほうがおかしいですね。未来は現実の積み重ねです。加えて、継続することで目標に近づいているのであれば、考えられる現象は右肩上がりの上昇です。

漸く壁を破り、結果も伴って上向いたが…というストーリーであれば、積み上げは説得力を持ち、目が揃うという謎の概念はある程度支持されることでしょう。

しかしながら、現実で3度にわたって披露されたのは、練度が上がるほど、時間がたつほど揃うはずの目は乖離し、能動性の欠片もなく相手に依存し、たいして攻撃的ですらないままろくでもない結果を繰り返すという惨状でした。

 

・試合を重ねても上向かない現実

・試合を重ねても一向に改善されない欠点

・全く手入れの跡がないビルドアップ

・ボール保持率100%と激しく矛盾する可能性の低い博打パス・シュート

・一切ヴェールを脱がない「名古屋らしい崩し」の継続性のなさ

・ユースや観客動員など因果関係が曖昧で状況証拠の弱い事象と風間氏の功績を無理に結び付けようとする動き

 

これらの信頼を失うに足る事象が文字通り積み重なり、優れた翻訳家の方々でも「継続性」を具体的には説明できない状況が続きました。

風間氏の志向するサッカーが継続性など求めず、一試合のエモーショナルな一瞬こそが大切という思考であれば腑に落ちる話なのですが、なぜか繰り返し説かれたのは「解任派は目先の結果しか見ていない」という真逆の話でした。その点を懐疑的に考えてくださる翻訳家がいらっしゃらなかった点は誠に遺憾でしたね。

耳さわりの良い言葉を広め、「時間がかかる」という言葉で先延ばしするのは悪質な情報教材を用いた詐欺でもできます。そんな低俗なものとは違うことをピッチの上で証明して、翻訳していただきたかったですね。

 

風間氏との夢は確かに終わりましたが、シーズンは続きますし、目標への旅は続きます。何か大切なものを失ったわけではありません。些末なポジティブさをとにかく拾い上げ、どんな時でも応援するという声はつい2か月前には聞こえたのですが、今はどこへ旅立ってしまったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

返す返すも残念です。

その一言に尽きますね。