炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

論題: 現状の進捗は妥当か?

 頭を強く打ってすぐにでも救急車で搬送すべき選手がいて、そんな戦ってはいけない状況でもそこまでして名古屋の勝利のために戦ってくれようとする選手がいて、それ以外の選手だって頑張ってないわけがなくて、なんでなおもいいところなく負けるんですか?そんなに芝が悪かったですか?

 

なんで所属する選手の選手生命も守れないクラブになったんですか?

 

昨年度の柏さんとの試合で、完璧なゴールを取り消され、長いトンネルに連れ戻された嫌な試合で、脳震盪を起こした中村選手に対して迅速に対応した、失ってはいけない誇りを示した、我が愛するクラブはどこに行ったのですか?

 

なぜですか?

 

なぜでしょうか。私はなぜかを考えたいので考えます。書きます。

負けた時だけ出てくると言われるのは気分の良いものではありませんが、勝っている時にはそもそも見られませんし、見られても「勝っている雰囲気に水を差すな」とか言われるのがせいぜいでしょう。

考えたくない方、そもそも私の文章が嫌いな方はお願いですからここでお帰りください。まだ間に合います。お互い確実に不快になるだけなので。

別に私自身が発信用のtwitter抱えて闇雲にファミリーをフォローして「見てみて~☆」と皆様のタイムラインに邪魔もしませんし、名前をころころ変えて私自身だとわからないようにする偽装工作も一切してません。する気もありません。
特に、私の文章が嫌いな方はそもそもここまで読まないでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰りましたか?

始めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現状の名古屋グランパスにコンセプトはあるでしょうか?

 

Yes: 魅力的な攻撃で攻め続け、全試合5-0で勝てるようなサッカーを実現する。   そのために、クラブの礎となる継続性あるスタイルを確立する。

No: そんなものはない。目指す先は未踏の地なので、先達など存在するわけがない。 コンセプトなどにそもそもとらわれず、やりたいようにやればよい。そうすればいつか名古屋のスタイルは確立される。

 

私自身はこの回答は"Yes"だと思っております。そして、この時点で"No"という方もいらっしゃると思います。そういう方は、ここから先を続けてもお互い不毛なのでお帰りください。

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、そのコンセプトを掲げて2年半経過しましたが、現在の進捗はどうでしょうか?

本当は進捗はシーズンごとに省みながら、現状の方向性が理想と合致しているか確認したり、理想を実現するための手段が適切か、もっと他の手段はないか複数の選択肢を探したり、時には理想自体が間違っていると考慮する覚悟もあると素敵です。

応援するクラブが挑むコンセプトの実現は、並々ならぬ覚悟と投資が間違いなく不可欠な偉大なる挑戦ですから、

「適切なベクトルに投資がなされているか?」

という命題にはどれだけ真摯に向き合ってもよいと思います。

 

そして、ここまでの2年間を振り返ります。

一年目は、J1昇格という「難しい」ミッションを紙一重で成し遂げたものの、結局スタイルの確立より目先の結果を取らざるを得ない状況に追い込まれており、コンセプトの成就は二の次にせざるを得ませんでした。評価のしようがないというやつですね。

DAZNの襲来もあって、とにかくJ1にいることのメリットが今後甚大になるだろうという節目の年だったこともあり、シャビエル選手・新井選手らの補強による短期的な結果の追求は妥当な方法でした。

とりあえず最低限のノルマだけを果たし、舞台はJ1に移ります。

 

次の年はJ1に旋風を起こし、優勝争いをするという目標から一転、降格しないという目標にいつの間にかすり替わっておりました。そして、選手個人の頑張りが結果に結び付かなかった地獄のような前半戦を終え、結局目先の結果に拘泥せざるを得ないほどの圧倒的な補強でピッチ上の選手を入れ替え、本当にこれまた紙一重で生き残りました。

相変わらずコンセプトの浸透は評価のしようがありませんでした。しかし、リーグ最優秀級のGKと固め打ちとPK込みでも24ゴールをたたき出し、期待通りの活躍をした得点王を擁し、その他名古屋に来れば成長できると信じ、難しい決断をして名古屋にいらっしゃった数々の貪欲で優秀な選手たちが様々なポジションにいて、失点が明らかに多い15位という結末はアンフェアで受け入れがたい結果でした。

最も勝利を追求するうえでボトルネックになりやすい両ポジションに明確な強みを抱えていて、そしてその強みは遺憾なく発揮されてなお15位でした。優秀なGKとストライカーの不在で勝ち点を落とす世界中のクラブが数多くある中、どちらにも祝福されている状況の中、目論見通り勝ち点を稼いでなお15位でした。加えて、長期離脱や不慮のアクシデントに悩まされ続けたわけでもありません。

 

私の記事をある程度読んでくださっている有難い方々はすでにご存じかと思いますが、この時点で既に疑問がやまない状況でした。本気で理想を実現して、スタイル創る気あるの?と思いましたね。本気なら、手段が間違っているのでは?という疑念がやまない状況でした。

あれだけ真面目で進化できて個人能力も高い選手と、育成に長けていてスタイルの構築に定評があるとされる実績ある監督とそれを支えるコーチ陣、クラブとして地域への浸透とともに満員のスタジアムを実現しようとする有能なフロント・審査眼に優れチームに合う選手を勧誘できる強化部があって、なんで補強直後以外は内容もよくないまま負けているんだ? と思わずにはいられません。

 

※私自身には風間語の翻訳が不勉強な側面もあり、風間氏については明確に「定評がある」と断じられないことについてお詫び申し上げます。

 

かといって、コンセプトの進捗が順調ともはなはだ思えません。ピッチの上や試合結果に何らか視認できる形で積み上げがなされているでしょうか?目先の勝ち星をある程度犠牲に、名古屋の5年10年を支える選手は現れたでしょうか。スタイルの実現に不可欠な左利きで広範囲に展開できる中盤の選手や、スピード・フィジカル・テクニックを兼ね備えた守備ポジションをこなせる選手は狙い通り育成できていたでしょうか? 

この命題に関しても私自身の答えは"No"でした。希少な心臓部であるからこそ、「自前で賄う手法を確立する」か「外注でどれだけお金を積んででも解決する」かは明確にしておいたほうがよいと思っておりましたし、今もその答えは同じです。

※和泉選手は名古屋5年10年支えるより送り出してドイツやスペインで「名古屋を最初に選んで本当に良かった」と語ってほしい選手なので個人的には該当しません。ここの「名古屋を5年10年支える選手」に関しては徹頭徹尾主観です。

 

そんな未解決課題を抱えたまま、いよいよ3年目を迎えました。

今までは「選手の質がもしかしたら足りなかったかも?」という答えの出ない問題に頭を悩ませ、コンセプトが浸透しているかを省みることはできませんでしたが、

 

鳥栖戦でいきなり求めていた選手であることを証明したシミッチ選手

・泣き所であった左SBを解決する実力者の吉田選手

・中盤でのボール争いにめっぽう強い米本選手

・ディフェンスから活きたボールを前線に届けられる千葉選手

・ピッチの皇帝として君臨できる将来性と能力を併せ持った伊藤選手

 

特に代表的な選手を上げただけですが、もうこれで補強ループとはおさらばできると本気で思いました。なぜなら、もう補強できる箇所がほぼないのですから。これ以上なお結果が出なければ、さすがにコンセプトそのものか至るための手段がおかしいことにしないと、あり得ない状況になったと私自身は感じました。

 

ところが、そして今シーズンも半分経過し、即戦力になりうる実力者の加入も確定しつつあるので、再び補強ループで短期的に解決しながら、コンセプトについて振り返れないまま今シーズンが決着するだろうことが濃厚になってきました。

 

とはいえ、補強そのものは悪ではありませんし、悪だと断じたこともありません。  シーズンを過ごしていく中で、どうしても想定外の誤算は発生しますし、ピンポイントでこんな選手が居たら…というどうしても現有戦力だけで解決できない状況にぶち当たることもあり得ます。

 

根本的な問題は、

・補強するまでピッチ上の課題が解決されない能動性のなさ

・ピッチの大半の選手が入れ替わるレベルの補強が「スタイルの継続性」と対極にあり、なおかつそれが毎年継続的に発生していること

 

の2点だと私は考えます。

 

補強→いらっしゃった選手たちが即スタメンになり、連勝。
→対策され勝利が遠のく→3バックを試す→根本的に解決せず補強→以下始めに戻る

 

この繰り返しを私は前回の記事でガチャに例えさせていただきました。ニュアンスとして札束を闇雲に積んでいるわけではないものの、どこか場当たり的な根本的なコンセプトに合致しているかが懐疑的という状況を例示する単語としてしっくりきたためです。

これについて頂いたご指摘には、ガチャという言葉だと闇雲さが強調されてしまうので、応急処置とか、ツギハギとか、パッチ当てアップデートとかの言葉のほうが適切ではないかというものもあり、成程と自身の言葉の拙さを痛感いたしました。

一方で、「選手をおもちゃにしてバカにしているような書き方」とかいうご感想もあり、世界は広いと改めて感じました。
あの記事単体で「監督をバカにしている」とか「クラブをバカにしている」という「誰かをバカにして笑いものにするための記事」という感想に至るだけでもよくわからないのに、なぜよりにもよって選手が出てくるのでしょうか。                     継続性はあるのか、理想に合致した方法を採用できているのかという論旨の下、論旨から見ればせいぜい事例の末梢部であるような、「選手の補強ありきになってしまっている状況の比喩」として用いたひと単語を吊るし上げて、批判するためだけに名古屋の素晴らしい選手たちを利用しないでいただきたいものです。そんなグラファミとして目の揃わない中身のない批判をしても全く無益です。

 

話がそれましたが、継続性の話に戻ります。

他クラブさんだって真剣ですし、時の運だってありますから、毎試合完璧に勝つことはさすがに難しいとわかっています。当然勝った一週間は格別ですがね。

時には、

・相手が純粋に強く、上をいかれた。

・敗北こそしたが、核となる若手が次々出てきており、コンセプトや理想の浸透がわかる。できなかったことができるようになってきている。

 

要はここです。こういった「ある程度芳しくない結果が続いていても仕方ない」と納得できる要因が今あるのかというのが疑問なのです。これに関して「だから○○が悪い!」とかそんな目先の話ではなく、今我慢するとして、それは能動的かということです。

太田選手が、柿谷選手がいらっしゃってまた勝利できるようになったとして、それは数百年続く名古屋のスタイル構築に寄与するものなのでしょうか?

 

勿論、現状からその片鱗を感じ取るのもありです。

例えば、先日の湘南戦さんとの試合を例に「名古屋はあらゆるスタッツが高く、試合終了後の湘南の選手は間違いなく疲弊していた。あくまで湘南戦はゴールネットが揺れなかっただけで、能動的に相手を疲弊させている。今は途上だが、間違いなくコンセプトは目に見える形には表れている」というのも大切なご意見であり、妥当だと思います。

「相手が疲弊してから」と「相手を疲弊させてから」は天と地ほどの差がありますから、能動的に意図する展開を起こせたのなら、それはスタイルの構築に寄与しうるでしょう。

 

ポジティブな継続性があってほしいと願うのは当然です。ただ、私は残念ながら今は感じ取れません。あくまで私一人の話です。 

(選手が変わっても発生しているネガティブな継続性はあるので、選手の責任ではないことだけはわかりますね。ここ数年で集まってくださった選手全員が戦えない選手というのはいくらなんでもあり得ないでしょう。何らか戦えなくなってしまう根本的な原因があると考えるほうが自然です。)

 

 

2016年の忘れもしない小倉期のように、

・明らかにディフェンダーの頭数が少なすぎた。

・期待された助っ人が満足にプレーできなかった。

・チーム状況をごまかせる反則級の選手はいなかった。(シモヴィッチ選手は最高だったが)

・初めて指揮を執り、GMまで兼任する監督の仕事が多すぎた。

上記のように、新米監督が様々折衷するには、チーム状況に余裕がなさ過ぎた状況とは今は違います。

 

今は違うはずです。それなのに、コンセプトに適切なベクトルで向かえていないような気がしてなりません。そして、あっと言う間に3年が経とうとしています。

横浜さんがエリク・モンバエルツ監督の下、現在のサッカーの礎を固めるのにかかった期間が、経過しようとしています。

 

 

おそらく、目先の勝ちはそう遠くないうちに味わえるでしょう。が…