炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

最悪な敗戦と名古屋グランパスというクラブの誇り

多くのサポーターの中でも、チームの残留としても、個人的にも天王山になると踏んでいた柏レイソルさんとの試合は、2-3で敗戦しました。

 

今日は何が何でも勝つべき試合ではありました。ですが、結果として敗北しました。それも、いつものように3失点してついに一試合二失点ペースに突入しました。

このことはもっと重く見たほうが良いと思います。野球なら優秀な数字でしょうが、サッカーでは弱小チームの典型的な数字です。何度でも書きますがJリーグ屈指のGKがいてこの数字です。

 

それゆえ、中断期間までに勝ち点10にさえ到達しない惨状です。本当ならクラブの方針を確定させられる試合にできるはずだったのですが、あらゆる不幸が邪魔しました。

 

第一に、判定に恵まれなかった点です。

和泉選手の一回目のシュートと、中村選手との接触が事後に発生したジョー選手の二回目のシュートがいずれもオフサイドとして判断され、結果的には2点を取り消された形になります。今日に関しては主審というよりは副審があまりにもお粗末でした。和泉選手のシュートについては、中村選手の視線を遮っていたかはともかく、直線状になる形で畑尾選手がオフサイドと判定されうる位置にいたのは事実です。副審からではどの程度遮ったかはわからず、フラッグアップをしたということなのでしょう。こちらに関してはまだ理解できます。判定を尊重できる範疇にあると考えられるからです。

加えて、そもそも名古屋が今J1にいるのは最後のプレーオフで判定に正直言えば恵まれたところもあるからです。10人審判がいらっしゃったら7人くらいは今回の和泉選手のゴールを認めていたでしょう。その時の因果が最悪の時期に最悪の形で巡ってきたと思えば私は理解できます。納得するのは難しいですがね。

一方、ジョー選手のシュートについてはそもそも副審の位置が正しくありません。試合終了直前という審判の方々にとってもしんどい時間ではありますが、最下位でホームで負けていて、副審の方のポジショニングミスでまた得点を取り消されて (玉田選手の正当な得点でさえも取り消されかけた)しまっては、さすがに不信感も募るでしょう。この件についてはクラブとして正式に抗議してもよいように思います。

ただ一つ気になるのは、昇格してから判定への不満を目にする機会が増えたことです。勝てないから判定に不満が出るようになるのか、判定が厳しくてそれを覆せず勝てないのか、それとも審判とコミュニケーションをとる佐藤選手がピッチ上にいないせいなのかはわかりかねます。もしコミュニケーションをとることで判定が好転するのであれば積極的に再現していくべきだとは思いますが、風間氏はきっとしないのでしょう。

(まぁそれで判定に恵まれるようであればそれはそれで人間としては妥当でも審判としてはどうなのかとは思ってしまいます。)

ルヴァンで見せた前線からの守備も選手個人の資質と気まぐれに基づくものであり、何の再現性もありはしないことが再認されましたからね。

 

第二に、日本代表でもある中村選手の怪我です。

本当に不幸としかいえない "事故" でした。中村選手が捕球体勢になったところにジョー選手が割り込んだわけではないので、ジョー選手に瑕疵はありません。むしろ、ジョー選手の回避が遅れていたら今度は中村選手の膝下がジョー選手の顔面に直撃し眼窩や鼻骨の骨折を引き起こした可能性もあります。勇敢な飛び出しではありましたが、時には無謀と紙一重になってしまうのは本当にゴールキーパーの難しいところではありますよね…。とにかく無事を祈るのみです。

それにより残り時間を勘案して試合をクローズさせた審判団の対応はルール上は正しいですし、妥当だとも思います。残った時間で何ができたとも思いません。引き分けで終わらなかった以外は正しいと思います。ただ、ルール上正しく妥当なものが、必ずしもサポーターの心情と一致しないのも、プレーオフの千葉戦で与えたPKで散々学びましたよね?勿論、自チームの選手には防ぎようもなかった相手選手の怪我でいつの間にか試合が終わっていて、総合的な審判団へのブーイングを中村選手へのブーイングだと勝手に読み違えられては怒りたくなるのも尤もです。怒りのぶつけどころがないのも本当に不幸としか言えませんが…。

 

第三に、上記の二つにより後味の悪さ、不快感がどうしてもこの試合の中心に据えられてしまうことです。この試合で何よりも重要だった勝ち点3を取ることができず、今後残留するうえでの方針確認も副審のミスと選手の怪我によって曖昧になってしまったことは、かなり痛恨だと思います。

何とか冷静に試合を振り返ると、

・相変わらず悪い時間に悪い失点をしすぎであること

・相手のよさを気持ちよく発揮させてしまっていること

の2点は本当に一切改善されていません。本日は玉田選手の煌めき偶然得点が取れましたが、上記の2点が改善されない限りこれからも3失点し続けることでしょう。その構造的な欠陥が中断明けも解決されていなかったら、いくら攻撃を磨き上げても徒労に終わると確信できます。いくら攻撃陣が優秀でも無策では毎試合4点も5点も簡単には取れません。

また、上記二つを個人の責任にしていては話が進みません。メンバーが変更されていても似たようなやられ方、信じられないような個人のミスが続くということは明らかに個人の責任の範疇を超えた何かがあると考えたほうが自然です。個人的には、ケアできる許容量を大きく超えた仕事量に頭と体がパンクするのが原因だと思いますね。仕事をなさっている方であれば、残業疲れの体に終わるはずのないほどの膨大な仕事を押し付けられたらどうなるかは想像に難くないのではないでしょうか。

柏さんとの試合は審判のせいにもできてしまう試合として不幸にも終わってしまいましたが、私個人としてはただ一人成長しないままついに中断期間に入ってしまったことはものすごく残念です。試合開始時から容赦なくジョー選手をシンプルに使い、蹂躙しに行くとともに可能な限りCBとアンカー間を遮断し、相手を窒息させに行くような姿を見たかったです。誰のせいにもせず、「私の授けたプランのせいで選手たちを守れなかった」と自戒する姿を見たかったです。そして、それを糧に次の試合で選手とともに成長して帰ってくるような「クラブ全体が前に進む」姿を見たかったです。

 

それでも、最下位かつ負けている状況で、理不尽な得点取り消しで抗議してもなんらおかしくない中、中村選手を心配して迅速な担架の呼び出しをしてくれたジョー選手・シャビエル選手・ランゲラック選手の姿勢は本当にクラブを代表する選手として嬉しい限りです。文字通り、ああいった姿が "誇り" なのでしょうね。名古屋のために帰ってきてくれた玉田選手が獅子奮迅の活躍を見せるなど勝ちさえすれば最高の日でしたが、何とも不幸な日でした。しかしながら、不幸だけで片付く3失点ではなかったことも受け入れるべきだと思います。

 

これでプレーオフの因果は漸く清算できたのでしょうか?いつか来る日とはいえ、本当に今日であってほしくはなかったですね…。