炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

因果が巡った昇格プレーオフ ー名古屋グランパスvsジェフユナイテッド千葉ー

こんにちは。火力不足です。

 

昨日J2の昇格プレーオフが行われ、名古屋グランパスジェフユナイテッド千葉に4-2で勝利しました。

 

この試合の感想を一言で言えば、個人的には「因果は巡る」です。2週間前、豊田スタジアムでは、名古屋をリスペクトしてできることを完遂した千葉が (運や審判を味方に) 完勝しました。そして昨日は役者が逆だっただけにすぎないと思います。千葉を強者として研究し、3バックやプレス回避のロングボールを併用し、左SBの比嘉選手を攻守ともにタスク過多に追い込んで機能不全を起こし、千葉が自信を持つハイラインのリスクを見事に突きました。そして (運や審判を味方に) 完勝しました。

だからこそ4-2というスコアで終わったと思います。前回の対戦で3-0という差がついたように今回も差が付きました。個人的には、1-1や2-1といった、疑惑と不満に満ちたスコアで終わらなかったのは本当に良かったです。軋轢しか生みませんからね。

 

そして、その軋轢の原因となったのが名古屋の一点目のハンドリング疑惑ですね。

判定については、断言している層は間違いなく当事者になれば途端に擁護する自称事情通ばかりだと思います。今回の例で神の手だとか言っている名古屋サポと大差ない行動や言動をとるでしょうね。9割は掌を返して同じ口から正反対の擁護をするでしょう。

名古屋にとって運が良かったことは間違いないと思います。意図はともかく手に当たって利益を受けた以上、審判が10人いたら7人は反則をとっていたように思います。

が、そこは因果なのでしょう。ここ一ヶ月の千葉戦だけで帳尻があって精算されたのかもしれません。もしかしたら一週間後に泣くのかもしれません。あるいは、既に前払いしたのかもしれませんし、いつか昨日のツケを払うのかもしれません。

 

それは誰にもわかりません。

 

ただ、一つだけ断言できるのは、今回の件をハンドと容易に断言できる人ほど、昇格プレーオフを娯楽として消費して誤審ばかりの日本サッカーの未来は暗いと我が物顔でいう人ほど、自チームの選手なら絶対に擁護するということです。断言できます。逆も同様です。ハンドではないと容易に断言できるのも視野狭窄で我儘な名古屋サポにすぎません。

他人事だから正義ぶって憐憫を振り撒けるだけであって、上から目線で説教しているだけにすぎないからです。要は核や誇りがなくただ正義に靡いているだけなので、自分の応援するチームという別の正義ができたら、そっちに靡いて終わるだけです。その程度です。今回の件を恨んでよいのは、2週間前は少なからず恵まれたことを覚えている千葉サポーターだけでしょう。今後VARの導入を進めた方がよいとは思いますが、導入したとしても知識不足や偏愛から審判に対する抗議は出続けるでしょう。ここは自戒の意味も込めて観戦した方がよいですね。

 

10人全員がハンドを認める例 ただし試合中はスルー 

Jリーグで神の手セーブ⁈ジュビロ磐田 ヴィッセル神戸 ジュビロ磐田 渡辺博文のハンド - YouTube

 

ちなみに、千葉の2点目のPKは名古屋の選手のクリアが入ってしまったのでややこしいことになりました。クリアできていたかどうかは関係なく、エリア内で名古屋のファールがあった時点でPKです。もしオウンゴールでなければ状況として流した可能性はありますが、最後に千葉の選手が関与していない以上、ファール時点まで戻す必要があります。クリアされていたら千葉サポーターにとってはガッツポーズだったわけですし、結果無事に決まったわけですが、そんなに単純な話でもありませんよね。急ぎたい気持ちは本当にわかります。

幻のオウンゴールが名古屋に味方したように映ったのは皮肉ですね。結果的には得も損もしていませんが、千葉側の方々のイライラを助長してしまったように思います。

 

こうしたひりつくような勝負を彩ったのは、選手は勿論両監督の貢献が大きいと思います。

名古屋の風間監督は、千葉をきちんと強者としてリスペクトして勝負し、構造の弱点を突いて勝ちきりました。同じ轍を3度ふまず対策し切ったことは賞賛されてしかるべきだと思います。なぜもっとシーズン中の重要な試合でしなかったのかは謎ですが、まぁ凡人にはわからない考えがあるのでしょう。

そして、千葉のエスナイデル監督もプロフェッショナルでした。GK佐藤選手のミスはハイラインのリスクを許容した上でのミスではありますが、文句の一つを言いたくなるような失点でした。あそこも今回の試合の潮目だったことは間違いありません。しかしながら、勝つために自分が選んだ戦術と選手を責めることなくきちんと守り、判定に対して抗議したい思いもこらえて名古屋の選手、監督並びにスタッフとの握手をきちんと行ったことは素晴らしいことだと思います。なかなかまねできることではありませんし、観戦する側としては見習わなければならない姿勢だと感じました。

 

最後に、まだ名古屋も福岡も何も勝ち取っていません。どちらかが判定に泣くかもしれませんし、低調な90分になるかもしれません。しかしながら、相手へのリスペクトだけは忘れたくないものです。千葉は強く、素晴らしいチームでした。決してラッキーだけでプレーオフに進出したチームではありませんでした。