炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

ジェンダーギャップ指数しか気にしない狭量さ

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Index Country Rankings – GIWPS

 

こんにちは。火力不足です。

 

女性の幸福度に関する調査が行われ、米国の順位が22位だったという記事です。

ジョージタウン大学・女性・平和・安全保障研究所(GIWPS)とオスロ国際平和研究所(PRIO)という機関の共同研究によって行われた調査であり、女性が抑圧されずに心身ともに充実した生活を送れているかどうかを様々な指標によって調ベたものとなっています。

 

しかしながら、女性だけに特筆した世界的な調査であるにも関わらず、極めて日本の報道は静かです。実際この記事も、アメリカ向けの記事の翻訳です。扱う指標は異なるものの、趣旨は類似しているジェンダーギャップ指数のときはこぞって順位が低いだの後進国だの世界有数の女性差別国家だのといった意見が飛び出していましたが、こちらの調査はそもそも扱いもしません。

 

本日はこうした報道姿勢から見える矛盾について記述することを目的とします。

 

目次

・順位と指標

・要は叩きたいだけ

・まとめ

 

・順位と指標

一応日本は155カ国中29位です。高めの順位ではありますが、いわゆる先進国と言われるようなアメリカ、ドイツ、イギリスといった国と比較するとまだまだ低く、真に女性の抑圧について考えるのであれば、「世界の国の中では比較的高順位に着けているものの、先進国として考慮するとまだまだ押し上げる余地はある」というあたりの分析が妥当になるのかなと思います。

つまり、真に日本が女性差別の激しい後進国であると考えるのなら、改善するうえでこの調査に触れるのが筋でしょうし、ジェンダーギャップ指数もあくまで一定の数字に基づいた調査である以上穴はあります。複数の調査を組み合わせることで、「日本はこういった点では女性へのサポートは十分で、当人としても幸福に感じることができているものの、一方で不足している点もあり、先進国としての基準には満ちていないと考えられる」といった意見は初めて生み出せます。

本当に女性のことを考えているのなら、これくらい調べて行うのはたやすいでしょうし、本当に女性差別国家ならこうした世界の広範な国を対象にした調査の読み合わせは外さず、有効な提言として間違いなく利用するでしょう。

もっとも、これだけやって理解はできても、納得されるかはまた別の話です。個人的には、この29位を20位以内にするよりやるべきことがもっとあると思います。

 

・要は叩きたいだけ

数多くの指標がありながらジェンダーギャップ指数だけが毎度毎度使われるのは、単純に叩きやすいからでしょう。の本は、女性の政治家の数が著しく低く、ここ50年で国家元首に女性が就任していない以上、どうあがいてもジェンダーギャップ指数は低くなります。

逆に、女性元首がいる国は高止まりしやすいので、調査における計算方式から考えてそういう特徴を有した国がアピールするためにやや極端ともいえる計算方式を採用したとも邪推できます。それくらい数字を重要視したのがジェンダーギャップ指数というものです。国ごとの過程は無視し、女性がどの程度いるかが至上命題とされているのです。

よって、ジェンダーギャップ指数では当の女性の幸福度は一切反映されません。たとえとてつもない女性差別の果てに政治家として祀り上げられたとしても数字は向上します。

ジェンダーギャップ指数だけを報道することが女性にとって良いとは全く思えませんが、話題になるので使うのでしょう。要はその程度の認識ということです。日本はダメだと叩くのに便利だから使っているだけにすぎません。女性差別なんて本当はどうでもよいと思っているのでしょうね。

 

・まとめ

個人的には、こうした女性限定の調査の恩恵を受ける時期については日本は通り過ぎたと思います。勿論、こうした調査で最下位に近く女性だけが理不尽に殺されてしまったり、性的虐待を受けてしまうような地域に対してはまだまだ必要でしょう。しかし、日本はこうした調査やジェンダーギャップ指数を当てにして是正するよりも、日本のみが直面する世界最速で進行する女性の社会進出と、少子高齢社会の両立について対策を講じた方が建設的なように思います。

個人的には、男女平等が進みすぎた結果、男性側の配慮に進まざるを得ない状況に至りつつあると感じます。どこまでフェミニストが抵抗するかは見ものですがね。