炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

男性の育休はまだまだ「運」の範疇

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こんにちは。火力不足です。

 

男性が育休をとると出世に影響するかどうかを記した記事です。検証と言いつつデータが一部雑なところは気になりますが、育休の現状について指摘しており負担についてごねるだけのゴミ記事よりは、現状の課題を解決しようとしているまともな記事であるように思います。

 

ただ、希望と同時にまだまだ絶望的な側面も本文中に見られたので、本日は男性の育休についてこの記事から感じたことを記すことを目的とします。

 

 

目次

・女性を助けるという重要な指摘

・残念ながら運と環境

・まとめ

 

 

・女性を助けるという重要な指摘

実際のところ、この記事はこの数文だけでも読む価値があるように思います。

 

“母親であれば育児をして当たり前といわれるのに、男は少し育児をしたり育休を取ったりするだけで特別扱いされるなんて不公平だ、という女性の声をよく聞く。その気持ちもよくわかる。

 

 だが、男性の育休取得が増えれば、(今は間に合わなくともせめて自分の娘の時代には)女性の負担も減るのだから、大目に見るほうが女性にとっても得策だろう。”

 

現状からだんだんと、男性の育児取得の過渡期になっていくと考えられます。そのうえで、特に女性が一時の感情を抑えることで、長期的には両性の負担を減少させることを実現させたいですね。しかしながら、記事中に上がっている男性の育児休暇は長くても2か月ですから、これをもう少し長くするか、長時間労働の形態自体を改良してより男性が育児に主体的に取り組めるようになれば非常によいですね。特に、長時間労働形態の改良は、短期的には報酬が下がるとしても、長期的にはリターンが上回るので実現するべきだと思います。

こうした形で「目先の男性の負担を軽減することが、結果的に女性の負担も軽減する」事例についてはどんどんと広まってほしいですね。

 

・残念ながら運と環境

一方、手放しでほめられるわけでもありません。まず、記事中に登場した3名の男性の職種がわかりません。勿論社会全体に「当然のこと」として少しずつ浸透させていくのが理想ではありますが、企業規模や職種、本人の所属する部署と業務内容によってそもそも育休が取得できるかは大きく変化するでしょう。そういった指摘もなく、運良く取ることができた3%の男性の中のさらなるレアケースを挙げても「そういう恵まれた人も探せばいるよね」で終わってしまうでしょう。加えて、3人とも「自分は運が良かった」とご自身で話しており、周囲特に上司の理解と、所属企業の余裕に依拠する部分がまだあまりにも大きいです。

この運として現状片づけられてしまう部分をどの程度当たり前に近いところまで上げられるかが、両性の負担を軽減するうえでとても重要になってくると思います。

また、調査として一見育休の取得がキャリアや給与に影響がないことを示しているものの、理想と現実が異なり、評価に感情が混ざる以上残念ながら机上の空論と言わざるを得ません。実態を聞かれたとしても回答する側は理想で答えるバイアスは生じるでしょうし、アンケートならなおさらです。まず実態は伴いません。加えて、育休がキャリアアップにつながる可能性を述べるにはいささか情報不足でしょう。ありもせず時間と精神を空費してしまう「猛毒の希望」になりかねません。

残念ながら、ここについても現状運と環境に集約されてしまうのではないでしょうか。

しかし、企業側としても、現状の過渡期はチャンスでもあります。いずれ近いうちに、出産・育児による休暇だけでなく介護・本人の病気などを抱えた訳アリ人材はもっともっと増えますし、AIによって消える業務もありますから、早いうちに導入のシステムを構築する方が企業としてもリターンが大きい(リスクが低減できる)のではないでしょうか。20年後も優秀な若い日本人だけでやっていける企業なんてほんの一握りでしょうからね。

 

・まとめ

現実問題としては、まだまだ周囲の配慮であったり、偶然の運の要素に強く左右されてしまう問題ではあるでしょう。残念ながら、まだ運を否定できる段階にはありません。しかしながら、一方の性についての負担だけを見るのではなく、負担を軽減することによって結果的に両性の得につながるという考え方の提案だけで、十分な意義があったと思います。これは世代に置き換えてもよいでしょうし、そのほか様々な要素を進める上で賛同を得るための手段として重要だと思います。

とにかく、「女性の負担が多いから何とかしろ」しか言わないような思考停止のゴミ記事よりは、よほど両性の負担を考慮し、真剣に解決を目指す記事であったと思います。もっと具体的にしてほしい点は勿論ありますが、ここから向上させられるのならそれはそれでよいことだと思います。