炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

素人が読めても困る日本代表選考

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こんにちは。火力不足です。

 

昨日、欧州遠征にあたっての日本代表メンバーが選出されました。ブラジル・ベルギーといった明らかな格上国と試合のできるまたとない機会ということで、素人の雑感では本気のメンバーで固めてくると思っておりました。しかしながら、香川選手や岡崎選手・本田選手というビックネームは招集されませんでした。

 

ネット上ではこれまた掌が返され解任論や悲観論が出ており本当に忙しい方々だなぁと感じますが、実際親善試合の結果と本番の結果は何の相関もありません。親善試合でオランダと引き分け、ベルギーに競り勝った前回大会の結果はどうだったでしょうか?勝ち続けることは強豪国でも難しいですし、常勝を望める国ではないことは薄々わかっているでしょう。

 

本日は、日本代表選考について思ったことを記すことを目的とします。

 

 

目次

・前回の反省

・お相手の都合

・まとめ

 

・前回の反省

前回のブラジルワールドカップでは、4年間同じやり方を磨き上げ、その長所で一点突破するという考え方の下、ザッケローニ監督が選手のやりたいサッカーを尊重する形で「自分たちのサッカー」を磨き上げました。その結果、はまった時間帯は欧州中堅国や強豪国相手でもやりあえないことはないものの、いなされたときの対応策や、自分たちの時間帯ではないときの過ごし方が疎かになり敗退しました。他国から対策される段階には至れたものの、その対策を上回るような実力は残念ながら出せなかったというのが前回の教訓だと思います。親善試合やコンフェデ杯で全力をぶつけたことで、その弱点を研究され、相手に対策されたことも一つの原因です。

ただし、敗退するとすべてが失敗であったかのように考えてしまいがちですが、やり方としては決して間違いではありません。日本のような国がワールドカップで勝利を収める手法の一つとしてなんら間違っていません。ただし、前回大会では様々な要因があって実らなかったということでしょう。

ここで、同じやり方を4年間深める手法の長所、短所を考えてみると、現在の日本代表が志向する方向性も見えてくると思います。

まず、長所としては、同じスタイルを貫くことで、習熟度は間違いなく向上するでしょう。それに伴い、招集されるメンバーも固定化されることで連携の向上も期待できます。また、同じメンバーで試合を行うことで、集団として相手にどの程度通用しているかがわかりやすく結果に反映されると思います。同時に、寄せ集めで戦うよりは目に見える結果は出やすいように思います。

一方、短所としては本番までに手の内をさらすことになります。最低でもオプションの選択肢を持っておかないと、本番では対策されタコ殴りにされます。また、メンバーを固定することは必ずしも良い方向に働くとは限りません。チーム内にマンネリの空気が蔓延したり、中心選手の造反が起こる危険性もあります。魅力的な選手が台頭してもチームがいじりづらく、直前や本番でのアクシデントにも脆弱であるといえます。

ただ、これらはいずれも結果論にすぎず、上手くいけば褒め殺しされますし、上手くいかなければボロクソに叩かれます。その場合叩き方も限られます。要は監督や選手は長所の方が大きいと計算して挑んだものの、結果は様々な要因から短所が大きくなって収支が合わなくなるのが大抵の敗退要因ですから、短所の方からかいつまんでそれっぽいことをマイナスに書けば、あっという間に論評っぽい批判が出来上がります。

例えば、前回大会で言えば「起用される選手が固定されてしまったことで戦術の硬直化を招いた」といった類の批判ですかね。固定することのメリットを無視し、ただ固定したことで敗退したと言わんばかりの結果論です。

そのような対策負けの前回大会がよほどトラウマになっているのか、今回は志向するサッカーも4年間の過ごし方も対極といえます。今回は、選手を固定して習熟を高める「自分たちの良さを出す」やり方よりも、相手を研究しながら相手に情報を与えないことで「相手の良さを潰す」やり方を選んだということでしょう。

どちらが正しいかは誰にもわかりません。90%勝つチームを作り上げても怪我や誤審や相手の奇跡によって敗退することはありますし、10回に一回を本番で引いてしまうこともあります。プロでさえ分からないのですから、素人にわかるわけがありません。

日本サッカーの進歩を考える上で、個人的には相手を潰すやり方を試す価値はあると思います。

 

・お相手の都合

一方、親善試合は自国の思惑通りにすべて事が運ぶとは限りません。今回対戦するブラジルやベルギーといった国が、日本をどういう相手とみなしどう戦うのかはまだわかりません。

おそらく仮想ポッド4の格下国として、引いてきた相手をいかに崩すのかを試す親善試合になるのかなとは思いますが、お相手の事情はいまいちわかりかねます。本気のメンバーを集めても1.5軍くらいが先発することもあり得ますし、1軍が先発したとしてもオプション戦術の浸透と割り切って試合に臨んでくるかもしれません。バカンスモードかもしれませんし、完全な本気モードでいらっしゃるかもしれません。正直蓋を開けてみるまでさっぱりわかりません。実際素人で思惑が読めてしまったらどの国でも大問題です。

よって、国名に惑わされず、相手がどのくらいのモチベーションで挑んできて、日本がどこまでやれたのかを考える必要があります。ゆえに、勝ったとしても相手のやる気があからさまになく、得点も事故のようなものであれば収穫には乏しいですし、逆に負けたとしても通用する選手が発見できたり、攻守に一定の評価が得られるのであれば十分な収穫でしょう。親善試合の結果から本番を占うことはできません。過程からは占えるかもしれませんがね。実際本気でぶつかれば間違いなく敗戦濃厚ですし、結果よりも何を得られるかを目標に、実りの多い遠征になることを期待します。

 

・まとめ

おそらく残念ながら2連敗で終える可能性は濃厚ですが、そこでまた頭の悪い解任論が噴出することでしょう。そして、ビックネームを呼んでいたら…とか、無意味なたらればが繰り返されるのでしょう。

正直、今回香川選手・岡崎選手・本田選手が揃って招集されなかったのは意外でした。ただ、これで彼らがもうロシアには行かないと考えるのはあまりにも早計です。勿論現在の代表における重要度が低かったことから呼ばれなかった可能性もあります。しかし、強豪相手に個人としてどの程度通用するかを見極め、崩壊しない程度に守備を固めてテストするうえでは、吉田選手・川島選手・酒井宏樹選手・長谷部選手辺りは必須ですが、攻撃陣は代替がまだ利きます。ビックネームである彼らが個人として通用するかは散々証明してきたでしょうから、未知数の選手を試したいと考えるのもわかります。

この2連戦でチャンスをつかみ、ぜひ新たなヒーローに登場してほしいものです。負けてもこの世の終わりは来ないので、臆病にならずはつらつとしたプレイを見たいですね。