炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

女性の社会進出を妨げる偏った調査

news.nicovideo.jp

 

こんにちは。火力不足です。

 

不満を言うのは自由ですし、まともな調査を行うことで現状を分析し、改善を進めるのは非常に重要です。

ただ、今回の調査にそういった真面目な意図は正直あまり感じられませんでした。ネガティブキャンペーンを何としても行いたいとしか思えません。何の改善もしようのないような、愚痴や井戸端会議に近いアンケートもどきだったというのが第一印象です。

 

本日は、調査としての落第点と、社会進出について思った点を記すことを目的とします。

 

 

目次

・「安倍政権で」という印象

・社会進出への逆行

・まとめ

 

・「安倍政権で」という印象

記事の題名にもわざわざ「安倍政権で」を付け加えることで殊更に不満を強調したいのでしょう。勿論、安倍政権も完璧ではありませんし、個人的に容認できない政策もあります。ただ、民主党政権と比較すれば明らかに数字として景気は回復しつつはあります。

失われた20年とリーマンショック東日本大震災などのマイナス要因目白押しの不景気からようやく少しずつ好景気へ戻そうとしているわけですから、当然相応の期間はかかるでしょう。そこで一年でもどせる方法があれば世界中の国が採用するでしょうし、そうでなければ相応の副作用が出る方法しかないでしょう。

次に、細かく質問の回答について見ていきます。

 

“「将来の金銭的な不安が増えた」(66.3%)、「収入が減って家計が苦しくなった」(30.3%)、「介護による負担が増えた」(17.3%)、「求人が減って就職や転職がしづらくなった」(8.4%)、「保育や子育てへの支援が減った」(8.1%)、「女性が社会で活躍しづらくなった」(7.2%)”

 

まず、将来の金銭的な不安はどの政権でも解消されるものではないでしょう。人口ボーナス期が終了し、右肩上がりの時代の実現が難しいことを何となく肌感覚でわかってしまっている以上、必ず金銭的な不安は生じます。これは安倍政権に限った話ではないですね。むしろ立憲民主や共産では余計に悪化していた可能性も十分あります。加えて、金銭的な不安が完璧に解消されたとしても、今度は健康の不安や子供の不安など別の不安に置き換わるだけにすぎません。「不安がありますか?」と尋ねられてノーと言える人の方が少ないでしょう。

次の収入減については、政権はどうしようもないでしょう。正確には、原因を特定しようがないというのが正しいです。確かに、政権の怠慢により全体の収入が落ち込み不景気になることはあり得ます。ただ、収入を上げるために政権ができるのはせいぜい最低賃金の保証くらいで、本人のスキル不足・知識不足による浪費・不幸な出費など本人に原因がある場合も十分に考えられます。異常気象や不漁による値上げは確かに家計には厳しいですが、それは政権のせいなのかと言われたらそれは違う気がします。

また、介護による負担も日本の構造上起こるものであり、他政党が政治を主導していれば防げたとは思えません。程度は異なったかもしれませんが、今の政党を見る限り劇的な改善はまず起こっていなかったでしょうね。

後の3つについても、そもそも選択率が10%を切っており、多数派の意見ではありません。加えて、この3つには別の観点もあります。

 

一方、ポジティブな点を見ると、

 

“「求人が増えて転職や就職がしやすくなった」(32.0%)、「女性が社会で活躍しやすくなった」(11.8%)、「保育や子育てへの支援が厚くなった」(10.2%)、「収入が増えて家計が楽になった」(4.8%)、「介護による負担が軽減された」(1.5%)、「将来の金銭的な不安が無くなった」(1.1%)”

 

となっております。全体的に数字は低めですが、特筆すべきなのは前3つです。ネガティブな点で後ろ3つに挙げられていたものは、少ないながらもポジティブな点として評価している方もいらっしゃるわけです。比率だけで言えばむしろポジティブに感じている方が多いですね。

 

以上の点から、ネガティブな点として挙げられているものは「政治では解決の難しいもの」あるいは「どの政党でも解決しないもの」と、「一定数は不満に思うもの」の2種類しかなく、そもそも調査として何一つ解明できていないと断じます。それにもかかわらず「安倍政権で」という枕詞をちゃっかり使っているわけですから確信犯でしょう。完全に悪印象を狙ったものでしょうね。20年前なら通用した手口かもしれません。

 

・社会進出への逆行

そして、後半の自由回答部分も突っ込みどころだらけです。

まず、日本は政治分野において、女性の権利は制限されていません。有権者の半分は女性ですから、女性全体が支持するような女性政治家が登場すれば自然と政界において無視できない存在になります。加えて、個人的には優秀な女性政治家の登場は疎む理由がありませんから、むしろ早く登場して福島瑞穂やら蓮舫やら小池百合子やら山尾志桜里やら豊田真由子やらを駆逐して忘れさせるくらいの方に登場して頂きたいものです。言っての男性層支持も期待できるでしょう。実際に女性が差別されていることで政治に参入できていないということはほぼないでしょう。男性どうのこうの以前に、女性を女性が支持していないという問題があるわけです。

また、たびたび本ブログで指摘している問題として、女性のマルチエンディング問題があります。働く方向への支援を強化することも回答の一つですし、そのために保育施設を整備するのも回答の一つです。一方で、女性が家庭に入るような多様な生き方を選べることを推進するのもよいでしょう。(女性が再び家庭に入れば男尊女卑で女性が抑圧されるとほざく人が増えるのは内緒)

ただし、すべては選べません。すべてを選ぶとすればその分の負担やコストは女性のみが負うことになりますが、そこまでしてすべてを選択肢として残したいと考える方は多くはないと思います。また、選択肢を多く残すことで時間の配分と能力の習得は難しくなりますが、そこも自己責任です。時間は平等ですからね。そのあたりをまず女性同士ですり合わせる過程が必ずあるはずなのですが。

 

・まとめ

選挙前に最後のネガティブキャンペーンを張っているというところでしょうか。実際のところまた一つ電子ゴミを生み出しているだけのように思います。

女性の社会進出については、今回は主婦に尋ねたので「社会進出しなくてもよかった」という意味合いの意見が出てきたと信じたいです。そうでなければ、何のために女性の意向をくみシステムの変革を試みたのか、まったく意味が分からなくなります。