炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

女性の社会進出を急に進めたら当然こうなる

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こんにちは。火力不足です。

 

保育士や介護士の給料が上がらないという問題についての記事です。当然ですが、愛ややりがいだけで子供の面倒を見続けられるわけがありません。自分のおなかから出てきた子供や、自分の血が確実に入っているとわかる子供ならともかく、そうでもないいわゆる「他人の子ども」に、全力で愛を注ぐのはいくら子供が好きでも難しいでしょう。

自分自身の余裕があってこそ他者に愛情や笑顔を向けられますし、そうでなければ十分な金銭報酬で余裕を生じさせる必要があります。

 

ただ、保育業界にただお金をつぎ込めば解決する問題ではありません。むしろ、闇雲にお金をつぎ込み短期間の解決を試みるのは最悪の選択肢だと考えます。

 

本日は、保育士の給与が上げられない理由について記述することを目的とします。

 

 

目次

・社会進出の副作用

・少子高齢社会の進行

・高給すぎても…

・まとめ

 

・社会進出の副作用

以前も述べたように、日本は世界中類を見ないレベルで急速に女性の社会進出を進めています。当然ながら、急速に進めて万事がうまくいくはずもなく、その影響を受けている一つの業種にすぎません。働く女性が増えれば増えるほど、保育士の需要はある程度増加しますし、実際女性の社会進出を進め終えた国の一つの回答としてメイドを雇い子育てと家事を外注するという手段はあります。

しかし、この方法の問題となるのが、女性の為に犠牲になる女性が必要になる点です。男性保育士という手もないわけではありませんが、おそらく本能的に許さない層が一定数いらっしゃることから、大々的に実現することはまずないでしょう。調べた範囲では、男性保育士が主要な保育士として働いている国は見つけられませんでしたし、男女平等とは言いつつ女性が集まりやすい仕事であるのは確かだと思います。

少し話が逸れましたが、保育士の給与が安定するには、雇ったり預けたりする「輝く女性」に十分な金銭と余裕が不可欠です。「輝く女性」がまばゆいばかりに輝ききったあと、保育士にも金銭が十分に与えられるべきという考えが十分に浸透して初めて保育業界の環境が改善されるという順序にならざるを得ません。なぜなら、そういう順序にしないと誰も保育所・保育士を利用しない(できない)からです。外注して安くなるからこそ利用するわけです。現状はそもそも女性の社会進出さえ急ピッチで進めかけている過程なので、残念ながらまだまだ好転はしないでしょうね。

 

・少子高齢社会の進行

これに追い打ちをかけるのが、少子高齢社会の進行です。これから、保育士という仕事が爆発的な需要が見込まれたり、何が何でも必要であれば金銭を先行投資して環境を整えるのは正解だと思います。しかしながら、現在日本は非婚化・少子化の真っ只中であり、出生数がついに100万人を下回るくらいなので将来の需要が見込めません。また、子供の面倒を見るには最悪血縁者を頼ったり、家庭内で専業の形をとり代替することも可能なので何が何でも必要というわけでもありません。そもそも保育という仕事に追い風な要素がないんですよね…。

一方、介護に関しては需要はあります。ただし、利用層が団塊の世代というところが最大のネックになるのではないでしょうか。こんなことマスメディアでは絶対に言えませんが、若くして学生運動、働けばバブルの絶頂期、世代の絶対数も多くやることなすことが世間に運よく受け入れられ続けた世代と言えるでしょう。そんな世代がいざ老人になり、物腰が急に低くなるはずもなく、「老害」や「団塊モンスター」という言葉もあるほど、他の世代と比較して悪目立ちする人間が多いです。勿論まともな方はまともです。しかし、介護という分野においても、サービスに過剰なものを要求したり、罵詈雑言や暴力に走る人間が多く出そうだというのは想像に難くありません。おそらく旧帝国陸軍の戸籍問題が多分に影響しているのと、馬車馬のように働くモデルの弊害だとは思いますが、そうしたマイナスエネルギーを甘受できるほど現代の人間に余裕はありません。

よって、保育士も介護士もお金を上げて人を簡単に集められる分野とは考えにくいです。

 

・高給すぎても…

社会進出の項目でも簡単に書きましたが、単に保育士や介護士を高給にしてもこの問題は解決しません。高給にするためのお金を利用者側から捻出しようとすれば、利用者は利用するのをやめ、血縁者を頼ったり専業モデルを採用することで保育コストを抑えるでしょう。そもそも、多くの方が保育行為が高給を得るにふさわしい仕事だと考えていないという問題もあります。

また、行政が介入して、税金から高給を担保しても別の問題が発生します。まず、人手が過剰に集まってしまうでしょう。保育園が少なく入れない問題に直面する地域も間違いなくあります。ただし、全国津々浦々で起こっていると考えるのは間違いだと断言できます。働き方改革の一環で徐々に男性にも育休を認める方針は少しずつですが広がっていますし、女性にとって育休は「当然」のレベルで存在しています。少子化も進んでおり、保育士が減る要因も一定以上あるため、どこもかしこも足りていないというのはさすがにおかしいです。どの地域でどんな保育士(正規か非正規か)が足りていないのか、あるいは保育園というハコ(公設・私設)が足りていないのかという問題を語るのが最も妥当なように思います。

もし、こういった具体的な現状分析がないまま、感情論で増やしてしまったら、必ず現状より悪化します。人を急に集めた保育園の質が高いとは考えにくいですし、その悪影響は子供に転嫁します。数年後にさらに少子化が進めば真っ先に不良債権になり、皆様が忌み嫌う「ハコモノ行政」になってしまうでしょう。また、民間に委託したとしても、高給や補助金を目当てに保育士の給与をピンハネしてぼろ儲けする悪徳業者も現れるでしょう。

ただ無計画に金銭を注ぐくらいなら、現状の方が正直まだましだと思います。

 

・まとめ

最も感情的になりやすい分野ではありますが、最も感情を排除して確実に現状分析をしなければならない分野だと思います。本気で公的機関が分析すればある程度解決できる問題だとは思うのですが、解決する様子がまるでありません。まぁ解決してしまうとごねられず困る人たちもいるでしょうから、その兼ね合いも難しいのでしょう。

ただ、女性の社会進出を進めた国は軒並み子供がらみの問題では苦戦していますし、急ピッチでごまかす日本が余計に苦戦するのはやる前からわかっていた話なのですが、その辺りをどう考えているのかはエリート女性に聞いてみたい話ではあります。

 

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