炭火生存日記

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特定の選手を不要と断言できるほど日本は恵まれていない

headlines.yahoo.co.jp

 

こんにちは。火力不足です。

 

本田選手への招集レターが見送られるということで、本田選手の代表不要論が再燃しています。事実、ここ数試合の代表でのパフォーマンスや、クラブでのプレーからするとやむを得ない面は存在しますが、記事についたコメントを見ると「当然」という趣旨のコメントはともかく、「もはや不要」とまで断じているものもあります。

 

しかしながら、不要と断じるには早すぎますし、さすがに失礼だと感じます。

本日は、特定の選手を不要と断じられない理由を記述することを目的とします。

 

 

目次

・リスペクトの不足

・よりどりみどりでは決してない

・現状のコンディション不良は事実

・まとめ

 

・リスペクトの不足

全ての人間は老い、いずれ代表から去る時期が来ます。それは避けられない以上、去り方があまりに醜く、惨めでない場合はそれまでの功績に対し畏敬の念を向けるべきでしょう。

本田選手は紛れなく2010年南アフリカワールドカップ躍進の立役者であり、惨敗したとはいえ2014年ブラジルワールドカップでも数字は残しました。不甲斐ない攻撃陣の中で唯一気を吐いた存在といえるでしょう。

さすがに様々な要因から衰えは見えていますが、国外ワールドカップでの初のグループリーグ突破をはじめとしたさまざまな偉業は本人が去り方を誤らなければ決してかすむものではないでしょう。少なくとも現状では最も尊敬されるべき選手の一人だといえるでしょう。ただ、これはあくまで現在の話です。

 

・よりどりみどりでは決してない

日本はどうあがいても強豪国ではありません。世界水準で戦える選手の人数も豊富とは決して言えません。ワールドカップで勝つためには、「最高のパフォーマンスが出れば…」のといった未知数の選手も含めて総力戦で戦う必要があるでしょう。

超一流の選手をどのポジションにも替えが利くほど揃えられるごく一部の限られた国の限られた時期ならともかく、日本を含めほとんどの国はそんな余裕はありません。

そうなると、単純にパフォーマンス上の最高到達点や身長などの身体的特徴・そのほかの代替性を考慮すれば、まだまだ本田選手は現状では外れない選手だといえるでしょう。ある程度の舞台で戦ってきた実績はありますからね。そのような経験豊富な選手を外せるほど日本は人材豊富な国ではありませんね。

とはいっても、本大会でメンバーから漏れる可能性は十分にあります。

 

・現状のコンディション不良は事実

先日の最終予選の出来やクラブチームでの出場状態を鑑みると、本田選手の日本代表での序列はもはや「不動」ではなくなりました。明らかに武器であったキープ力や判断力が低下していました。ただこれがコンディション不良に基づくものなら問題はありません。

なぜなら、コンディションに関しては必ず好不調の波が来ます。今日はレスターに所属する岡崎選手がゴールを決めるなど、非常に現在のコンディションが良好な様子がうかがえます。

レスター岡崎の泥臭過ぎる“ダイビングキック”弾炸裂! リヴァプール相手にまたも得点 (theWORLD(ザ・ワールド)) - Yahoo!ニュース

 

しかしながら、過密日程の中好調が一年中続くことはまずありえませんし、別に不調になったとしてもそれは岡崎選手の怠慢では決してありません。人間ゆえ体力は過密日程のうちに少なからず摩耗しますし、いったん歯車がずれれば修正するのは難しく、それはあらゆる物事に取り組む世界中の人間が直面する課題です。

よって、代表のことを考えるのなら全員のコンディションがこの時期に一様に好調というのは一概に良いこととは言えません。ワールドカップの開催まで一年を切った以上、ワールドカップの時期に全員のコンディションがピークになれば最高ですが、現実的には怪我や疲労との戦いを強いられる以上、この時期に不調でも年明けあたりから調子を上げる選手がいてもなんらおかしいことではありません。

 

しかしながら、本田選手に関しては少し話が異なります。特に判断力に深刻な衰えが散見される一方で、選手としての柔軟性を失っているように思えます。それが顕著な本田選手本人のコメントを引用してみます。

 

本田「いろいろなものを取り戻さないと」 最終予選 サウジアラビア戦後のコメント - スポーツナビ

 

いろいろなものを代表は取り戻していかないといけないかな、というふうに思います。

 

(ポジションに関して監督と話をした?)そうですね。話すところは話をして、監督も分かっていないわけではないと思うので。(出場は前半だけという話?)はい。ミーティングでたぶん前半だけでいくと。コンディションのことをまだ心配してくれている、という説明を受けました。

 

(ロシアW杯へ向けて今日の試合から導き出せたことは)うーん、そうですね。事実として、サウジの方がいいサッカーをしていたということだと思うので。オーストラリア戦も主力が何人か出ていないところも無視できないと思います。やはり結果だけでは判断できない部分があると思うので。何よりもW杯に出るということをとにかく結果として残せた。1回振り出しに戻して、日本代表がどういった形でロシアW杯へ向かうべきなのか、それを考えないといけないかなと思います。

 

代表に不足しているものは攻守ともに当然色々あります。そうした部分を積み上げていくというのなら趣旨としてわかりやすいのですが、「取り戻していく」となると話が変わってきます。あったものがなくなったときに取り戻すという言葉は使いますね。また、主力が何人か出ていないということや、一回振り出しに戻すという言葉から導き出せるのは、今の代表のサッカーに本田選手が満足していないということでしょう。はっきり言って素人から見ても現時点からサッカーを振り出しに戻してどうするんだという思いが強いですね。たとえ振り出しに戻してもまだ間に合うとは思いますが、サッカーの方向性を考え修正するのは監督の仕事です。選手としては越権行為のように感じてしまいますし、不動の地位で言えばまだ理解できますが、現在の輝きを失った姿で言ってしまえば昔を懐かしむ老害のような醜さを醸し出してしまいます。残念ながら現状では本田選手のためのチームを作ったとしても収支はマイナスになります。個人的には頭の良さで偉業を成し遂げてきた選手だと思っていましたので、過去に拘泥する本田選手はできれば見たくないですね。

 

・まとめ

よって、現状のような「自分たちのサッカー」に固執した発言を続ける割にプレーの復調が見られなかったら、本田選手が本大会のメンバーから落選する可能性は十分あると思います。しかしながら、現状で不要だと断言するのは間違いでしょう。香川選手や岡崎選手といった他の偉大な選手にも同様のことが言えます。もっとも、本田選手よりは現在の代表の志向するサッカーには合いそうですが。

日本は人材豊富な国でもありませんし、簡単に不要と発言することはあまりに敬意を欠いています。今回のワールドカップは今後日本サッカーが通る道を決める重要な大会になると思うので、ぜひ丸く収まって、総力戦で良い結果を出してほしいと思います。

 

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