炭火生存日記

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監督交代は魔法ではない

 

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こんにちは。火力不足です。

 

ハリルホジッチ監督を解任するべきというスタンスの記事ですが、相変わらず解任するべき理由が書いてありませんし、代案の監督も挙げられていないただの批判記事です。おそらくメディアが直接監督批判を書くと先日の会見のように鋭いカウンターを食らってしまうので過去の選手に言わせるという手法をとったのだと思います。だとしても、メディアの醜い思惑が余計に透けるだけですがね。

 

私も正直素人ではありますが、素人でも指摘できる点がいくつかありましたので、本日は記事中で気になった点とメディアの質について考えた点を記述することを目的とします。

 

 

目次

・監督が代わっても選手は変わらない

・期待できないのはいつものこと

・総合的なハードルが高い

・代表は育成の場ではない

・まとめ

 

・監督が替わっても選手は変わらない

監督が替わっても選手は変わりません。特に、日本においてはザッケローニ・アギーレ・ハリルホジッチとプロの監督3人がそれぞれのサッカー哲学に基づいて選考したメンバーはいずれも海外組であり、特に3列目より後ろは非常に変化が乏しいです。これだけ監督が代わっても変化しないということは悪い意味で不動であり、それだけ人材が乏しいということですね。まぁプロリーグができて30年経っていない状態で人材の宝庫になっているのならそれはそれでとんでもない成功ですが、とりあえず現状は人材の宝庫とは言えません。Jリーグに所属する選手の中で試される選手は変わるでしょうが、骨子は変わらないでしょう。今まで通り、海外でレギュラーを張る選手を軸に、足りないところに国内組をあてがうというやり方になることでしょう。

よって、監督が替わったとしても、劇的な変化はまず期待できませんし、あと一年では外国人監督では文化の理解に時間がかかるでしょうし、日本人監督では引き受け手がいないでしょう。引き受ける人がいない理由は後述します。

 

・期待できないのはいつものこと

この記事では「本大会は期待できない」と書いてあります。実にその通りだと思います。ただ、期待できないのはいつものことであり、別に監督が替われば期待できるようになるわけではありません。日本という国の現在地がそこなのであり、もっと言えば世界中の列強国ではないほとんどの国が期待できないでしょう。世界中で予選では様々な形で苦戦し、何とか出場権を勝ち取り、組み分けに偶然恵まれて初めて「もしかして…」という期待ができるわけです。本大会が期待できないとわかっていらっしゃるにも関わらず着地点がおかしいですね。

もう一度書きますが、現時点でグループリーグ敗退が濃厚というのは日本の現在地がそのレベルなのだと思います。個人的には、10回やれば1~4回突破できる位のところを、組み分けや相手のコンディション、自分たちの監督やコンディションなどが要因となって変動していると考えます。ただ、どう考えても、監督を替えただけでドーピングのように成績が上がるという発想が明らかに間違っています。その割に、そのドーピングのような成績向上を実現してくれる監督の名前さえ記事中には挙がっていませんね。

結局のところ、成績なんてどうでもよくて、ハリルホジッチ監督が気に食わないということに尽きるのでしょう。人間性(笑)に関する伝聞と、サウジアラビア戦の結果論だけしか批判点を挙げられていませんからね。

 

・総合的なハードルが高い

ベスト16に行けたらラッキーくらいが現在の日本の立ち位置だと思いますが、構造上代表監督はそのラッキーが実現して初めて称賛されます。逆に、グループリーグ敗退は残念ながらある意味順当であるにも関わらず、ボロクソに批判されます。本当に醜い掌返しや心無い批判があらゆるメディア上に溢れます。特に、日本人監督の場合、日本語が読めてしまう分心無い批判を余計に理解してしまいます。加えて、通過できなかったとしたら一生その経歴は残りますし、日本で監督をしようものならずっとついて回る汚名になってしまうでしょう。南アフリカのときに代表監督を務めた岡田さんも代表監督はやりたくないというお話をなさっていたように、膨大なストレスのかかる割の合わない仕事であることは想像に難くないです。ついでにメディアと対立すると今回のようにあることないこと勝手に悪名を広げられたり、あるいはスポンサーから起用する選手を義務付けられる可能性もありますね。

そのリスクがわかるからこそ、自分一人の問題ではなく家族や親せきにも影響する可能性がある以上、日本人監督は引き受け手がいないのだと思います。

よくて4割程度の当たりを引けば一生の名誉がついて回りますが、外れたら一生の汚名がついて回ります。それは自分の責任でどうしようもなかったことかもしれませんが、一生十字架として圧し掛かります。自分がその仕事をこなせる知識と体力、地位があったとしてどれだけの方が手を挙げられるでしょうか?そんな理不尽な仕事だと私は思いますね。

 

・代表は育成の場ではない

代表戦は育成の場ではないでしょう。そんな余裕がある国を探す方が難しいでしょうし、日本は少なくともそんな余裕のある国ではありません。しいて言えばアジアカップは新戦力発掘の場かもしれませんが、ハリルホジッチ監督は中途就任なので経験していません。監督やコーチが練習の場で確かめて、「試したい」という思いに至らなかったということはまだプロの目から言えば差があるのでしょう。

また、サウジアラビア戦をさも「浪費」したかのような記述になっていますが、あくまでこれは結果論です。勿論個人的には試してほしい選手はいましたが、実際ベテランに危機感を持たせ、現状の守備では本番は間違いなくやられることをテストしたと思えば納得できます。もし、この記事がいうように若手を起用し、結果うまくいかなかったのならば、「ベテランを起用してでも結果に拘るべきだった、若手の芽をつぶした」という真逆の趣旨の記事が出ていたことでしょう。

育成もできれば万々歳でしょうが、そうなると代表監督は、まずレギュラーから当落線上まで約100人の選手とコンタクトを取りながら適宜助言を行い、彼らのチームごとの映像を確認しながら状態を確かめるだけでなく、実際に集まった様々なチームの選手たちに統一した攻守のシステムをわずか数日間で一から仕込むと同時に相手チームのスカウティングも行い、けがやコンディション不良もある中で選手を選抜しながら当日ピッチに送り出しすべての試合で勝利をしながら若手も上手に起用し、自信を付けさせて育てるという仕事を行うことになります。

はっきり言って実現できる監督は地球上にいないでしょう。

 

・まとめ

サッカーは人間の想像以上の速さで進化し、Jリーグ黎明期のものとは名は同じでも中身はもはや別物になったと思います。元プロサッカー選手であったとしても、知識のアップデートを行わない限り居酒屋のおじさんレベルの談義になってしまうでしょう。現に、Jリーグの解説においても、元プロサッカー選手の中で戸田和幸さんのように、知識と言語化して一般人にわかりやすく説明する能力を持った方と、Aさんのように過去に驕り、ふわっとした言葉で「解説」ができない置物の格差が起こっております。

また、先日の監督会見におけるメディア批判により、サッカーメディアもようやく変革を迫られております。一日でも早く日本サッカーの進歩を阻害する害悪なメディアが亡くなるとよいですね。人間で言えばいよいよ大学も卒業するくらいの時間が経ちましたから、そろそろ「日本のサッカー」の方針をはっきりさせられる一年にできることを望みます。そのうえで、建設的な記事が溢れ、本当の意味で日本が世界と戦えるようになる日が来るとよいですね。

 

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参考

https://victorysportsnews.com/articles/5261/original