炭火生存日記

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サッカー日本代表オーストラリア戦の雑感

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【日本2-0オーストラリア|採点&寸評】ロシア行きを決定付ける会心ミドル!攻守に貢献した井手口をMOMに | サッカーダイジェストWeb

 

こんにちは。火力不足です。

 

日本対オーストラリアが昨日行われ、無事に代表が2:0で勝利しました。この結果、最終予選を見事一位で通過しました。アジア仕様のサッカーではなく、世界を見据えたスタイルでしぶとく勝ち抜いた点は素晴らしいです。

 

良かった点は散々メディアに溢れるので、個人的に気になった点を書いてみることを目的とします。

 

目次

・喜ばしい

・個々で気になる点

・ボールを持つか持たれるか

・まとめ

 

・喜ばしい

相手の自滅感も正直ありましたが、完勝といえる出来でした。オーストラリアを完封するために行った、ハリルホジッチ監督の準備の周到さをまざまざと見せつけられましたね。

運もよかったところも少なからずありましたが、入念に準備した結果運を引き寄せたというのがしっくりきます。勝利の女神は細部に宿るというやつですね。

 

・個々で気になる点

勿論、良いことばかりではないので、素人ながらに気になった点を書いてみます。

 

長谷部選手→ボールを受ける前の確認が遅れ、ボールを危ない形で失ってしまう場面が見られました。これが怪我からの復帰が間もないからのこと(修正可能)なのか、年齢から来てもおかしくない衰え(修正不可能)なのかは今日だけでは判断できませんでした。

守備場面における危険な位置を締めるプレーや、ボールを運べるプレイヤーが中盤にいなかった結果、攻撃時にできることが限られていた点、審判とのコミュニケーションも考慮すると、後継者が欲しいがまだおらず替えの利かない状況に感じました。

 

吉田選手・昌子選手→よくも悪くも無難なプレーが多かったように思います。相手の攻撃がちぐはぐだったところもありますのでこれも今日だけでの判断は難しいところですが、大きなミスなく無失点を完遂して頂けて何よりです。

川島選手→CBの2選手と同じような感覚を覚えましたが、後半のセットプレーの際、相手のクロスを迷いなくパンチングで遠くにはじき出したところに安定感を感じましたね。ああいう場面でもたついたり、遠くに飛ばせないとピンチを招きかねません。その他コーチングなど、豊富な経験を発揮していたように思います。

 

長友選手→武器であった対人の衰えがどうしても目立ちました。そこが最強の長所であったことや、身長の低さなどの弱点を考慮すると、後継者が欲しいポジションかなと感じました。確かにアシストはありましたが、悪い時間の不安定さが悩ましいです。復調して頂きたいです。

個人的には、小林選手のコンバートに期待しています。左WGは現状乾選手か原口選手ですし、それ以外の選手だとしても相当な守備意識が要求されると考えます。よって、WGは守備面で機能しない選手はそもそも起用されないので、SBは守備面は一定以上あればあまり心配ないと考えます。相手にボールを持たされた時の展開を考えると、最終ラインに展開できる選手はいた方が心強いです。左利きというのも強みですね。パスの方向の偏りを防げます。

 

酒井選手→リーグアンで先発している実力を証明したように思います。守備では決定的なブロックを複数回披露し、無失点に間違いなく貢献しました。攻撃は右WGとの連携がカギになるかなと思います。右WGが激戦区となる以上、誰とでもかみ合う知的なプレイが求められるので期待したいです。また、低空クロスやアーリークロスなど、一辺倒でない崩しへの貢献も見たいですね。

 

乾選手→スペインで攻守の素早い切り替えを身につけ、元々のテクニックと併せた技巧を見せていたように思います。贅沢を言えばゴールに近い場所での点に絡む決定的な仕事も期待したいですが、あれほど攻守に走れば難しいのかなとも思います。正直乾選手があそこまで奔走するとは思っていませんでした。予想以上の走力を見せていただけましたね。

 

浅野選手→評価が最も難しい選手です。これ以上ない先制点を決めた点は素晴らしいの一言ですが、あとは監督から課せられた攻守への奔走でピッチから消えてしまいました。自慢のスピードを活かすようなプレスやドリブルも見られなかったのみならず、フォワードとしてシュートを打てる場面で打てず、長所が見えなかったように感じます。久保選手・岡崎選手など同一のタスクをこなせる人間が同じポジションにいるので、コンディション次第で序列が入れ替わる起用になりそうです。得点はしたものの、世代交代を断言できるほどの活躍ではなかったと思います。

 

井手口選手→出足の早さ、正確さのあるキックにミドルの追加点など監督の期待に完璧に応えたと思います。本人が現状発揮できるほぼベストのパフォーマンスが疲労されたのではないでしょうか。ただ、シュートを外したあとの切り替えや、空いたスペースの管理など、国内仕様の部分がまだ残っているのでそういった甘さが変われば面白い存在になると思います。

 

山口選手→ボールを刈り取る早さは流石ですが、年齢とポジションを考えるとボールを落ち着かせる力や危険なスペースを埋めるもっと気の利いたプレーが欲しいですね。井手口選手に行かせて自分がカバーするくらいの余裕は期待したいところです。今はむしろスペースを空けてしまう側なので、大きな成長がないと、柴崎選手や香川選手など、現状と変化をつけられる選手と入れ替わりうるのではないでしょうか。

 

大迫選手→アジアレベルを超越したパフォーマンスでした。チームを助ける懐の深いポストプレーを完遂し、間違いなくこの戦術のキーマンといえるでしょう。この役割を全うするのなら大迫選手の得点数はあまり伸びないかもしれませんが、最も重要な役割です。ただ、きつい中での周りとの連動したプレスは課題になるかと思います。集団で相手を嵌めることを浸透させ、チーム全員で上手にさぼる手法を身につけたいところです。

 

ハリルホジッチ監督→大一番で若手を起用し見事に的中させ、賭けに勝ちました。ボールを相手に持たせ、シュート数、セットプレー数で上回るパーフェクトな出来。個人的には、元々の支持が確信に変わりました。今日の会見もパーフェクトです(笑)

加えて、ブラジル組に大きく依存しなくなったのはこれ以上ない進歩です。意識的にもオーストラリアに快勝したことは過去を払拭するうえで大きいでしょう。これを中途就任から成し遂げたのは偉大です。

ただ、世代交代ができた、には懐疑的です。後ろは特に顔ぶれは大きく変わっていません。これから本大会への取り組みで期待しましょう。チームに仕込める要素は豊富にあるますし、実際今のままでは世界で勝てないことは監督も自覚していらっしゃるようです[1]

 

・ボールを持つか持たせるか

ポゼッションかカウンターかという永遠の悩みですね。

勿論、どっちもできるのが理想ではあるのですが、世界トップのクラブチームならともかく練習時間の短い代表ではドイツ・スペイン・ブラジル・アルゼンチンといった超有名国でも両立が完全にできているとは言い難いです。例えば、ドイツやイタリアは、国内最強クラブの戦術と選手を軸にすることで、連携にかかる時間を短くする試みも採用しています。そうでもしないと間に合わないわけです。

要は日本だけが苦労する話ではないってことです。そして、日本にどっちが向いているかはまだ答えが出ていません。両方本気で試さないとわかりませんよね?好みだけで決めてよい話でもないですし、2018年が終わって総括する話になるかなと思います。

 

・まとめ

現在の日本代表は、ボールを持って相手を蹂躙するわけではないので、見ていて分かりやすい面白さはないと思います。「日本にはボールを持つのが向いている」という論調はありますが、根拠が不足しています。まだザッケローニ監督時代で4年試しただけです。その結果と反省も突き詰めることはできていません。「通用する時間もあった」だけで方針を決断するのは早計といえるでしょう。通用しない時間に耐えるための育成や戦略が伴うならわかりますが、そんな具体策とっていませんよね?

20年経って、現状日本が本気の舞台で学んだのは、「自分たちのサッカー」が今のままでは通用しないことと、愚直に守れば奇跡的に何とか決勝トーナメントへ行けることもあること、組分けと初戦の勝敗が極めて重要だという当然のことぐらいでしょう。

ボールを持たないサッカーに4年を賭けるのは初めてで、結果は未知数です。どうせ日本は世界のトップから見ればまだまだ若輩です。経験にすればよいのではないでしょうか。逆に言えば、王道の弱者の戦術さえ取っていなかったのが今までの日本です。一度試して、「自分たちのサッカー」とどっちが日本に向いているのか試せばよいのではないでしょうか。

ボールを持つサッカーが向いているのかは1年後にわかるでしょう。それでやはり真の「自分たちのサッカー」が向いているとわかればそれはそれで私は支持します。しかし、今の時点で未来がないと言えるのは何様でしょう?ハリルホジッチの最高到達点はまだわかりませんし、監督も現時点で足りないことは自覚できています。過去のピークと今のピークを比べるのは卑怯ですね。

現時点の日本の人材では、「自分たちのサッカー」をするうえで必要不可欠な3列目より後ろをこなせる人材がいません。断言できますがいません。吉田選手でも申し訳ありませんが力不足でしょう。ボランチとGKはもっと絶望的です。そう考えると、いま日本代表が歩んでいる道は現実的なのではないでしょうか。

 

[1] 9/1 18:00~ の会見より  痛快なのでぜひ閲覧をお勧めします(笑)

 

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