炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

日本代表監督ってやはり理不尽な職種なのでは

headlines.yahoo.co.jp

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こんにちは。火力不足です。

 

オーストラリア戦の日本代表メンバーが発表されましたね。厳密にはあと4人落選しますが、大方メンバーは絞られたといえます。

今回の試合は、バカの一つ覚えのように使われ続けた「絶対に負けられない戦い」を地で行く勝負になるでしょう。負けて喜ばしい試合なんてまずありませんが、毎試合絶対負けられないなんて無用なプレッシャーを背負うのは無駄ですし、使うとしても今回のような試合のみ使うのが適切といえます。毎試合選手全員の最高のパフォーマンスが出続けるわけがありません。

 

そして良い成績を収めているにもかかわらず、理解不能な解任説が出ていたり、プレーオフが決まったかのような記事が散見されます。サッカー界において主要メディアが癌なのか、日本全体のメディアが癌でサッカーも例外ではないのかはわかりかねますが、とにかくひどいの一言に尽きますね。

 

本日は、そうしたメディアのひどさと解任がいかにありえないかを説明するとともに、日本代表の難しさについて考えてみることを目的とします。

 

 

目次

・解任はまだあり得ない

・監督は魔法使いではない

・日本代表の難しさ

・まとめ

 

・解任はまだありえない

考えたくない話ですが、ここから本大会への切符を落としてしまう可能性もゼロではないので、もし本大会へ行けなければ解任もやむなしかなとは個人的に思っております。また、もし現時点で残り2試合を勝つことが最低条件の状況に追い込まれていたり、自力突破が消滅しているような状況であれば極めて妥当で、むしろ解任は遅いくらいです。

しかしながら、今の成績は8戦して5勝2分1敗、15得点6失点で日本は首位にいます。

もちろん最終予選を通して、審判に恵まれたり誤審に泣かされたり、ひどい環境に苦しんだりけが人に悩んだり色々あり、監督の手腕としてもう少し改善できた点もゼロとは言えません。ただ、そこは試合後にしかるべき人間が内省するべき部分であり、いつまで経っても修正が見られないなら初めてメディアや個人が媒体で根拠を出しながら批評すればよい話です。

中身はともかく、結果として数字だけ見れば1試合1点以下に収めながら2点近くとり、順調に星を積み上げてきたといえるのではないでしょうか。最高ではなくても十分な成績です。それも、試行錯誤を重ね初戦の敗北から修正しています。

解任を考えるということは次の監督に何らかの当てはあるはずなのですが、この成績で解任するような国に優良な監督が集まりたがりますか?ただでさえハリルホジッチはアギーレの騒動の影響を受け、中途の就任でできることをこなしています。それでも不足というメディアは何を求めているのでしょうね。PV数ですかね。というかオーストラリア戦後に解任して一週間後のサウジアラビア戦どうするんですか?

 

・監督は魔法使いではない

監督は魔法使いではありません。ある程度の戦略を授けたり、モチベーションを上昇させたり、才能を開花させたりと監督としての才能にも様々な側面がありますが、すべてを兼ね備えどんなカテゴリーでも結果を出せる鬼才はいません。万が一いたとしても日本には来ません。監督によって長所は様々あり、世界トップクラスの選手を存分に生かすのを得意とする監督もいれば、トップクラスとはいえない選手たちを率いてジャイアントキリングを起こすことが得意な監督もいます。要は監督も適材適所ってことですね。その点、ハリルホジッチ監督というチョイスは、当時選択できた監督の中では最適解に近かったのではないかと思います。

また、監督が代わっても選手は変わりません。選手が100人の主要リーグのレギュラーから選べるような強豪国ならともかく、日本は人材も限られています。海外組がある程度出るようになった2010年以降、国外のプロ監督であるザッケローニ・アギーレ・ハリルホジッチらはいずれも海外で揉まれる選手たちを重用したように、Jリーグは残念ながらまだ欧州の主要1部リーグと比べれば足りないところがあるのでしょう。それでも、今年のJ2など、興味深いチームや戦術は見られていますがね。話は少しそれましたが、人材不足は監督が代わっても解消しません。地道な育成のみが王道です。一流国でさえ通る道です。近年ではベルギー・アイスランドアイルランドなどが育成に成功した国といえるでしょう。育成は嘘をつきません。

また、選手はニュータイプではないので、考えを浸透させるのに一定の時間はかかります(もちろん早い遅いはあり、言語化して早く動きを仕込めるほど優秀)。その時間もタダではありませんし、親善試合で試すのも限界があります。クラブチームと異なり密度の濃い難解な戦術を合わせる時間はないので、最低限の約束事だけ決めたり、国内の強いクラブの戦術を軸にするなど各国工夫しております。要は短いなりに拾うものと捨てるものをはっきりさせる必要があるわけです。無責任な解任論は一試合の敗北だけでよく騒がれますが、

監督が代わって勝てるなら世界中の国・クラブがそうします。しかしながら、現実はそうではありません。マンネリや無策から、監督が勝利へのビジョンを示せなくなった時が辞任・解任の時だと個人的には思っております。その判断も非常に難しいですが…。

 

・日本代表の難しさ

就任当初ハリルホジッチは、「コンディションの悪い選手は呼ばない、試合に出ている選手だけを使う」といった旨の発言をしております。結果として、その発言は守られておらず、監督批判によく用いられます。しかしながら、これには日本代表特有の難しさが関わっていると考えます。

以下推測にはなりますが、ハリルホジッチが日本代表監督のオファーを受けた際、協会からは「ワールドカップに出ており、主力選手はヨーロッパでレギュラーとして活躍している」という話を聞いていたのかなと思います。同時に「Jリーグという国内リーグもあり、一定のレベルにはある」といった映像プレゼンを受けてオファーを承諾したのではないでしょうか。アフリカではよくある給料未払い問題がないことも長所として勘案されたかもしれませんね。

そして、いざオファーを受けてみると、予想以上に国内組が計算できなかった、もっと言えば、Jリーグが(気候の影響もあって)デュエルの不足したリーグだった。そのリーグで無双することがどの程度海外の相手に通用するものかを色々な指標から図った結果、海外組のほうが計算できたということではないでしょうか。選手の能力*コンディション=当日のパフォーマンスとして、能力の部分がコンディションで補えない程度に国外でやっている選手と差がついていたということではないでしょうか。具体的には、ボールを奪われた際のネガティブトランジションにおける切り替えや、プレッシングの強度、パススピードや精度など総合的に差がついていたのでしょう。それにより、コンディションが芳しくなくても、いわゆる海外組が重用されてきたのでしょう。ゾーンディフェンスの習熟度も含め、就任当初は「想定外」だったことが意外とあったのだと思いますね。

また、予選と本戦で求められることが変わる難しさもあります。アジアでは強豪の部類に入る日本は、引いた相手を崩すことが予選では求められます。しかし、本戦ではむしろ引いて守り、一瞬のスキを突くことが求められます。この二つの両立は非常に困難であり、アジアで勝つことと、本大会で勝つことが同義ではないことも、日本特有(アジアの強豪特有)の難しさといえるでしょう。加えて、近年はアジア全体のレベルが上がっており、無策で圧勝できる国がいるような容易な予選ではなくなりました。

そのほか、コンディションの維持や気候の問題・メディアのレベルや協会の問題など様々な課題はありますが、ベスト16の常連になるには最低でも20年はかかると思います。

 

・まとめ

まだまだ課題だらけですが、サッカーがプロ化して20数年でよくここまで来れたと思います。まだまだ日本は世界の列強と比べれば高校生のようなものです。課題だらけで当たり前でしょう。その中でハリルホジッチ監督は日本サッカーをよく勉強してくださっていると思います。籠城戦ではないレベルで守備的に戦ったワールドカップはまだないので、今は「縦に速いサッカー」が日本にとって自分たちのサッカーの一つになりうるかを試す期間でしょう。そんな期間もなくいきなり優勝できるわけありません。ドロー分けにとてつもなく恵まれ、キーパーが当たり、攻撃陣にラッキーボーイが出ればベスト4はもしかしたら到達できるかもしれませんが、そのくらい揃わないとベスト4は難しいですし、グループ分けの運がよくなければ敗退してしまうくらいの実力でしょう。

そう考えると、ベスト16進出を求められる監督は、最初からある程度運に任せる必要がありそうです。それで達成できないとボロクソいわれますし、一度引き分けただけでも解任風が吹いてしまうわけですから、案外日本代表監督という仕事も理不尽だらけといえそうです。

悪辣なメディアはサッカーにおいても例外ではないですしね…。クソみたいなメディアから的外れな悪態つかれるのは相当なストレスでしょう。

 

個人的には今のサッカーに期待しているので、ぜひ勝って決めてもらいたいものです。

 

参考記事

 

karyokuhusoku.hatenablog.com