炭火生存日記

しぶとく生きるためのブログ

過去の名古屋グランパスに敗れた今の名古屋~後編~

こんにちは。元名古屋サポの火力不足です。

 

前編はこちら

 

karyokuhusoku.hatenablog.com

 

今回は後編として、J2で基礎を作ってからJ1に行くべきであるとして、J2にとどまってもよいとして見られた意見を一つずつ否定できる範囲で批判していこうと思います。

 

目次

・成長している、今は過程

・哲学が作れたらJ2でもいい

・風間監督には実績がある(川崎)

・今は借金返済期間

・J2楽しい

 ・まとめ

 

・成長している、今は過程

確かに、個人の攻撃能力は成長しているといえるでしょう。しかし、同じ期間で当然ほかのチームの選手たちも練習し、成長しているわけです。つまり、プロとして他チームよりも適切に能力をつけないと、J1との距離は詰められません。そして、そのための適切な手法を引き出しとして豊富に持っており、言語化して形にできるのが優秀な監督やコーチであると考えます。それを踏まえて、現状の名古屋の成長については図で表すと

 

参考図

          攻撃 守備

個人 ◎  ×

組織 △  ×

 

純化しているので一概には言えませんが、これで本当にチームとして成長しているといえますか?個人的には、組織の向上と個人能力の向上は相関があると思っているので、そこを整備できない手腕には疑問が生じます。時間がかかるのは、選手に放任されているからでは?したがって、個人としての成長も個人的には懐疑的です。

何より、リーグ戦も折り返し、合わない選手はたいてい移籍し、純度は上がっているはずですよね?なぜまだ攻撃が中途半端なんですか?なぜどんどんシュートさえ打てない試合が続いているのですか?

 

・哲学が作れたらJ2でもいい

魅力的なパスサッカーを基礎として、名古屋の代名詞にできたらJ2でも構わないという考えですね。ですが、勝ちなくして哲学なんて根付きません。負けていても「内容は勝っていた」を慰め文句にするのでしょうか。負けても「これが名古屋」とばかりにパスサッカーの浸透を貫けるのかといえば、おそらくノーでしょう。どう考えても、勝ちとともに自然とやり方が哲学となっていくほうが自然だと思います。

 

ここで、ひとつ気になる点があります。名古屋は哲学のなかったチームか?という話ですね。個人的には、決して格好良くはないけれどトップチームにはあったという風に感じております。ユースから一貫した哲学があったかどうかを問われればノーでしょうね。

ただ、一貫しているクラブの方が世界的にも珍しく、一から構築を達成するよりも、勝ちという形で目覚ましい成果が出続けた結果、それがチームの色として定着するというケースの方が自然であるように思います。

具体的には、名古屋山脈といわれた、高身長の選手たちがスタメンに並び、愚直にディフェンス陣はコースを切り、楢崎正剛という日本屈指のゴールキーパーがはじき出す。そして、攻めているが決められない相手をしり目に、ワンチャンスをものにして息づいたら勝っているチーム、少なくとも昨年まではそうであったと私は感じています。もちろん、昨年は攻められず守れず気付いたら負け続けたからこそこの哲学は一度折れたわけですが、美しくはないが愚直ではあったと思いますね。格好よく見栄えよく美しく勝ちたい願望はわかりますが、J2に居続けて作れる保証は全くありませんよ?いつでも上がれると思ってなめてませんか?むしろ引き抜きで草刈り場と化す危険性のほうがリスクだと感じます。

 

また、今いる選手を大切にできないクラブに哲学もへったくれもないでしょう。

 

 

・風間監督には実績がある(川崎)から数年後には強くなっているはず

確かに、多くの方にとって魅力的なサッカーを5年かけて積み上げてきたという実績はあります。一方で、平均順位が劇的に向上しているわけではありません。

 

参考

川崎フロンターレの年度別成績一覧 - Wikipedia 

 

上記のように、名古屋の絶頂期と重なるように若干不振な時期はあったものの、ここ10年はトップグループを走っているクラブといえるでしょう。

ただ、それが全て風間監督の手腕により実現したものかどうかはわかりません。彼のサッカーと同様、再現性がないからです。正確には、再現性があるかどうかわからず、まさに今、本当の名将なのか、川崎では運に恵まれただけなのかを実験している最中といえます。カテゴリーの違いもありますし、サポーターは被験体として試されていますね。

 

そして、現状ですが、赤鯱新報の一文が如実に物語っています。

【京都vs名古屋】レビュー:京都の機能美に打ちのめされた灼熱の夜。ゴール前での“迫力”が、ここからの名古屋には必要だ。 : 赤鯱新報

 

「高い技術を高速で組み合わせることで生まれる名古屋の攻撃は美しく、ハマれば相手DFを無力化することができる」のが今の名古屋の魅力のようです。おそらく監督も一方的なハーフコートサッカーを目指しているのでしょう。理想が高いことは構いません。

しかし、その実現に足りないものが多すぎます。

その魅力的なサッカーはサポーターの前で何分お披露目されましたか?

24試合*90分=2160分ありましたよ。

サポーターは何分間そのハマった時の美しさを眺められましたか?

練習して練度が上がるからどんどん後半戦になって増えるはずですよね?

合わない選手追い出してどんどん価値観共有できてますよね?

負けたとしても攻め倒して終わっているはずですよね?

でも、そんな世界は我々の目の前には広がっていません。

 

実現できていないのは過程が疎かだからと断言できます。

美しいパスを回すために、ポジショニング決めましたか?

相手を尊重し、攻め方、守り方を研究しましたか?

決めたパターンを浸透させて、再現性のある場面がありましたか?

ミスをしたとき自分たちの足元にボールが戻るような工夫がありましたか?

工夫がチーム全体で共有されていますか?

上位陣に軒並み負けているのはそういう決め事の怠慢ではないのですか?

 

できていれば何も言うことないですし、こんな記事すぐにでも消しますが、できなかったとき、うまくいかないときのリスク管理が現状なさすぎるでしょう。しかもJ全体で最高クラスの年棒を与えられている監督様のお仕事でこれです。新米監督がいいとは口が裂けても言いませんが、もう少し改善してくれよとは思いたくなりますね。

 

・今は借金返済期間

唯一賛同できるとしたらこの点です。

としても、借金をよりためないために今のフロント・監督・スタッフ・選手が死力を尽くしているようにはさっぱり思えませんねぇ。

積み上げがなさ過ぎて、功労者をバッサリ切りすぎて、守備陣を軽視しすぎて、偉い人が権力争いをして、その果てに新たなクラブの姿ができたとしても、そんな名古屋グランパスという名前だけ同じ異形の何かに愛着を持つサポーターは多くはないと思いますね。

こうした屈辱的な状況がいつか来るべき日であったというのは本当にその通りだと思います。どうしてこうなったのか or2

 

・J2楽しい

泊まりでいろいろなところ行けますね!現地の食べものや観光も楽しいですね!スタジアムグルメも珍しいものが多く、新鮮な気持ちでスタジアムを回れますね!一試合当たりのお値段が安いですね!

…あれ、いいことずくめじゃね?そんなあなたは既にJ2の沼に肩まで浸かっています。

 

・まとめ

実現するかもわからない将来の為に、名古屋史上最大の功労者の花道と、育てた選手たちが出ていく草刈り場になるリスクを冒せますか?そのようなリスクを超えられるほどの多大なメリットが風間氏にはあるのでしょうか?少なくとも今の風間氏にそれは見込めません。「風間サッカーは5年待てば上積みが見込める」のは本当ですか?

今の選手を大事にする姿勢がないのに、将来の選手が大事にされるとは思えません。「あの人でもああなるなら俺も…」と考えても不思議ではありません。

監督を変えてももはや好転しないので、セットプレーの守備・整備された攻撃などの具体的な本気と、気迫・勝利への執念などの抽象的な本気を今の「名古屋グランパス」に関わる人間が見せたとき、本当の哲学がいつかできるのではないでしょうか。

 

元サポのはしくれとして、期待したいんですけどね…